チーズの世界はバラエティ豊か!種類や生産国による魅力の違いを徹底解説!

チーズ盛り合わせ

いまや私達の食生活には欠かせないチーズですが、世界に目を向けると様々な種類のものが多くの国々で作られています。

ただあまりに多様なため、種類についても生産国についても、どこかぼんやりとしたところがあるのではないでしょうか。

そこで本記事では、基本的なチーズの種類や代表的な生産国の特徴を解説してまいります。

この記事を読むことで

・チーズにどのような種類があるのか

・種類ごとの特徴

・主な生産国で作られるチーズの種類や特徴

がわかるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

チーズの種類

フランスのチーズショップ

世界中に数多くあるチーズですが、大きく分けると以下の2種類になります。

・ナチュラルチーズ

・プロセスチーズ

ナチュラルチーズは、原料のミルクに乳酸菌や酵素などを加えることでタンパク質を凝固させ、それを固めて作られるものです。

こうして作られたナチュラルチーズは、硬さや原料となるミルクの種類、熟成の有無、熟成のさせ方などでさらに細かく分類されます。

プロセスチーズは、1種類もしくは複数の種類のナチュラルチーズを原料として、破砕や加熱などの加工を経て作られます。

加熱により乳酸菌などが死滅するため、状態が変わりにくく品質が安定しているのが特徴です。

それぞれについて解説していきます。

チーズの種類代表的銘柄
ナチュラルチーズソフト系非熟成フレッシュチーズモッツァレラチーズ
熟成ウォッシュチーズタレッジョ
白カビチーズカマンベール
ハード系熟成青カビチーズロックフォール
セミハード・ハードチーズパルミジャーノ・
レッジャーノ
シェーブルサント・モール・ド・トゥーレーヌ
プロセスチーズ6Pチーズ

ナチュラルチーズ

様々なフランスチーズ

原料となるミルクを乳酸菌や酵素などを加えてタンパク質を凝固させ、カード(固形分)とホエイ(水分)に分けます。

一般的には、カードを製品化したものがナチュラルチーズです。

通常、加熱をしないためチーズ中の乳酸菌などが生きており、時間とともに熟成が進み、製品化後も熟成は続きます。

そのため、熟成による味の変化を楽しむことも可能です。

熟成の有無や熟成を促進する微生物の種類などによりさらに細かく分かれ、一般的な分類によると以下の6種類となります。

それぞれについて見ていきましょう。

ナチュラルチーズ各種類のおすすめをこちらの記事で紹介していますので、おいしいナチュラルチーズをいろいろ楽しみたいとお思いでしたらぜひご覧ください。

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フレッシュチーズ

モッツァレラチーズ

フレッシュチーズとは、先ほど説明したカードを熟成させずに製品化したものです。

水分が多く残っているため柔らかく、原料となるミルクの風味も多く残っています。

クセは少なく、食べやすいため料理やデザートにもよく使われています。

新鮮さが特徴となる反面、賞味期限は短いので購入後は速やかに食べるようにしてください。

ウォッシュチーズ

エポワスシャランセ

ウォッシュチーズとは、表面を塩水や酒で洗いながら熟成させていくチーズです。

表面に繁殖した菌の働きにより熟成が進んでいくのですが、菌が増えすぎないようにというのが、定期的に表面を洗う理由です。

ただし、菌由来の匂いは強く感じるでしょう。特徴ある匂いのために、後で紹介する白カビチーズや青カビチーズとは異なる独特の個性を持っています。

とはいえ強烈なのは表皮の部分だけで、中身はクリーミーな食感と豊かなコクがあります。

この味わい深さはウォッシュチーズならではのものといえるでしょう。

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白カビチーズ

カマンベールチーズとナイフ

一般的な白カビチーズは、カードの表面に白カビを繁殖させ、白カビの効果によって熟成させるのが特徴です。

表面がフワフワした白カビに覆われているため、可愛らしい見た目をしています。

独特の風味が少しありますが、比較的クセは少なく、それでいて熟成による旨味を感じられるため、日本でも人気があるナチュラルチーズです。

熟成が進むほどクセが強くなる反面、コクが増してトロリとした食感に変わり、通好みの味へと成長します。

青カビチーズ

ゴルゴンゾーラ

白カビチーズとは異なり、カードの内部に青カビを繁殖させ熟成を促進させるのが青カビチーズです。

大理石のような特徴的な見た目により、他のチーズとは簡単に見分けがつくでしょう。

白カビチーズよりも個性的な香りで、舌にピリピリとした刺激があり、塩分も強いため好みが分かれています。

ただし、このクセの強さに見合う旨味も持っているため、一部のファンからは熱烈に愛されています。

また、やや硬めのためセミハードチーズに分類されることもあるのですが、一般的には独立して扱われます。

青カビチーズについてより詳しく知りたければ、こちらの記事もお読みください。

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セミハード・ハードチーズ

パルミジャーノレッジャーノ

チーズは含まれる水分が少なくなると硬さが増し、水分量が38~46パーセントのものをセミハードチーズ、38パーセント以下のものをハードチーズと分類します。

水分量が少ないため長期保存・熟成にも適しており、熟成が進むほど旨味も増していきます。

白カビチーズや青カビチーズと比較するとクセは少ないので、あまり好みは分かれないチーズといえるでしょう。

また後に説明するプロセスチーズは、このセミハードチーズ・ハードチーズが原料として多く使われます。

ですから、セミハードチーズ・ハードチーズは日本人にとってより馴染みやすい味だといえます。

ハードチーズに関してはこちらで詳しく解説していますので、ぜひお読みください。

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シェーブルチーズ

サントモール

これまで説明してきたチーズでは、原料乳として牛や羊、水牛などのものが使われますが、山羊乳から作られるものは独立してシェーブルチーズと呼ばれています。

フレッシュタイプや白カビタイプなどいくつかの種類が作られており、特に木炭の粉を表面にまぶして黒くなっているものが特徴的です。

ほぐれやすい食感とやや青草を感じさせる独特の香り、かすかな酸味など、他のチーズにはない特徴があるため、好き嫌いが分かれるとされています。

プロセスチーズ

6pチーズ

一般的なスーパーマーケットで販売されているチーズの多くがこのプロセスチーズであり、ナチュラルチーズに比べると身近な存在だといえるでしょう。

ナチュラルチーズを加熱して溶かしたものを型に詰めて、冷やして作ります。加熱するためチーズ中の乳酸菌などが死滅するので、製品化後に熟成はせず、長期保存にも向いています。

また、様々な副材料と混ぜ合わされて製品化されるものも多く、味のバリエーションが豊富なのも特徴です。

プロセスチーズをもっと詳しく解説していますので、こちらの記事もご覧ください。

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生産国別、チーズの種類や特徴

カットされた様々なチーズ

原料が動物の乳であり製造工程もシンプルなチーズは、世界中の国で生産されています。

ただし、作られるチーズの種類は、歴史や食習慣の影響で国によりまちまちです。

ここでは、チーズの生産国としては外すことができない各国のチーズ事情を解説してまいります。

それぞれの国の個性を知り、チーズ選びに活かしていただきたいと思います。

生産国順位年間生産量
(万トン)
アメリカ1558
ドイツ2274
フランス3189
イタリア4125
イギリス1141
スペイン1823
スイス2121

アメリカ

チーズの生産はヨーロッパで発達したのですが、生産量では現在アメリカが世界のトップであることに驚かれたことでしょう。

それも建国後の歴史が浅く、チーズ文化と結びつかないため仕方がないことです。

とはいえ、ヨーロッパからの移民が中心となって発展した国であり、広大な土地と世界でも有数の人口を持つことを考えれば、納得もいくのではないでしょうか。

中でも、ナチュラルチーズの一種である「クリームチーズ」は、アメリカで生産が始まったとされており、歴史の浅い国でありながらもチーズとの関わりは深いことがわかります。

アメリカのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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ドイツ

ドイツ人

1位のアメリカに次いで、ドイツのチーズ生産量が世界第2位というのも意外に思われるのではないでしょうか。

というのも、ドイツチーズを日本で目にすることが少ないからです。

しかし実際には、ドイツは生産量だけでなく消費量も世界第2位というチーズ大国です。

それなのに、なぜドイツチーズを見かけないかというと、ドイツでは個性的な種類のチーズ作りがされていなかったせいだとされています。

現在、ドイツを代表するチーズが作られたのも1900年代と遅く、他の国にインパクトを与えることに遅れをとってしまいました。

今後、ドイツチーズを見かける機会も増えるかもしれません。その時を楽しみに待ちましょう。

ドイツのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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フランス

様々なフランスチーズ

私たちがチーズの生産国を思いつくままに挙げるとすれば、フランスの名は必ず出てくるのではないでしょうか。

それだけ、フランスでは個性あるチーズがたくさん作られており、日本にも多く輸入されています。

また何よりも、フランスが一人あたりのチーズ消費量で世界第1位であることは、忘れてはならないでしょう。

生産量こそ3位に甘んじていますが、チーズが好きな国という点ではフランスを超える国はないのではないでしょうか。

フランスのチーズは、なんといっても生産している種類の豊富さが魅力です。

フランス国内のほぼ全域で、その土地の名産のチーズがあるといわれています。

というより、かつては各家庭でチーズ作りが行われていたようです。

もちろん先程挙げたチーズの種類もすべて作られており、それぞれに世界的に有名な銘柄が存在しています。

フランスのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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イタリア

パルミジャーノレジャーノのブロック

おいしいチーズを作っている国といって、フランスと並んで真っ先に思い浮かべるのがイタリアではないでしょうか。

事実、有名なチーズの名前を挙げてもらうと、そのいくつかはイタリア産のはずです。

もちろん生産されているチーズの種類も多く、数百種類とも数千種類ともいわれています。

またイタリアといえば、様々な種類のチーズが料理やデザートに使われます。「モッツァレラ」や「パルミジャーノ・レッジャーノ」、「マスカルポーネ」などは、むしろ料理やデザートでしか口にしないのではないでしょうか。

これだけチーズが食文化に浸透しているイタリアですが、一人あたりの消費量では世界第7位。

フランスと共にチーズ大国であることは誰もが認めるでしょうが、食べる量に関してはやや少なめというのが驚きです。

イタリアのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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イギリス

スティルトン

イギリスと聞いて、もしかしたらチーズと結びつかないと思われたかもしれません。

たしかに、ヨーロッパ大陸にある国と比べるとチーズというイメージは少ないでしょう。

しかし生産量は世界第11位であり、しかも世界三大ブルーチーズの一つである「スティルトン」や世界で最も生産量の多いチーズである「チェダー」といった有名なものも生産していますので、代表的なチーズ生産国を語る際には外すことはできません。

かつてイギリスは世界中に多くの植民地を持っており、それらの国々にチーズを広めたという点でもイギリスの功績は大きなものだといえるでしょう。

チェダーチーズの生産量が多いのは、その名残だといわれています。

イギリスのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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スペイン

スペインもチーズ作りの歴史は古く、多くの種類が存在しています。

ただし、生産量は世界第18位であり、日本への輸入量も多くないため、スペインのチーズをすぐに思い浮かべるのは難しいかもしれません。

また山岳地帯の多いスペインでは牛よりも山羊や羊のほうが飼育しやすいため、チーズも山羊乳や羊乳を原料とするものが多くなっています。

スペインのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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スイス

スイスの風景

ヨーロッパの中だけでなく世界的に見ても決して大きな国ではないスイスが、チーズの生産量では世界第21位であるのは、それだけチーズとのつながりが深いことを示しています。

事実、チーズ作りの歴史は古く、一人あたりのチーズ消費量も世界第8位というチーズ大国の一つといえるでしょう。

特に日本人にとっては、アニメの「アルプスの少女ハイジ」によって「スイスといえばチーズ」という印象が強く残っています。

ただし私たちの目にするスイスチーズは、「エメンタール」や「グリュイエール」などほとんどがセミハード・ハードチーズであり、様々な種類が輸入されているフランスやイタリアとは事情が異なっています。

また「チーズフォンデュ」や「ラクレット」といった料理のイメージが強いのも、スイスのチーズの特徴です。

スイスのチーズについての詳細は、こちらの記事をお読みください。

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まとめ

今回は、世界中で広く生産されているチーズについてお話してまいりました。

それらを大きく2種類に分けて、一方のナチュラルチーズをさらに6種類に分類して特徴をお伝えしました。

また、代表的な生産国を7つ挙げて各国のチーズ事情も説明しています。

ただし、いずれも説明は簡単なものとさせていただきましたので、チーズの種類や特徴など詳しいことは紹介した詳細記事をご覧ください。

日本人のチーズ消費量は欧米各国と比較するといまだ少ないのですが、年々増加を続けています。

これからさらに、世界各国で作られたチーズの輸入量が増え、口にできる種類も多くなっていくでしょう。

チーズを選ぶその時に、この記事が参考になれば幸いです。

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