あなたは、イギリス産のブルーチーズ「スティルトン」を知っていますか?
では、そのスティルトンを食べると変な夢を見るという噂のことは?
世界3大ブルーチーズの一つとして有名なので、この記事の筆者である私はスティルトン自体については知っていました。
しかし、変な夢を見るということについて知ったのはつい最近です。
以前にスティルトンを食べたことはありますが、その時に見た夢のことなど全く覚えていません。
それで「この噂は本当なのか?」と思いましたので、実際に試してみることにしました。
この記事では、実際に私がスティルトンを食べてみて、本当に変な夢を見たのか、なぜ変な夢を見ると噂されるのかをレポートします。
さらには、このスティルトンについて、どんなチーズなのか、買えるところやおすすめの食べ方などもお伝えしていきます。 スティルトンが私にどんな夢を見せてくれたのか、ぜひ確かめてみてください。
スティルトンを実際に食べてみた
普通なら、スティルトンがどんなチーズなのかを先に説明するところでしょうが、きっとあなたは「変な夢を見る」という噂の真相が気になっていることでしょう。
そこで本記事では、私がスティルトンを食べて、実際にどんな夢を見たのかということからお話していきます。
果たして、
・スティルトンは夢に影響を与えるのでしょうか?
・変な夢を見る原因は何なのでしょうか?
これから、私の体験と調査結果をお伝えします。
まずはおいしくスティルトンをいただきました
と言っておきながら、まずは夢の話の前にスティルトンの食レポから始めさせていただきます。
私が購入したスティルトンは、真空パックなどはされておらず、ビニールシートに包まれているだけでした。
といっても、開封する前から青カビチーズ独特の匂いがすることはなかったです。
ビニール越しに見える様は、まさにブルーチーズ。
クリーム色と青緑色のマーブル模様がきれいです。
この見た目だけで、あの独特の匂いが鼻腔の奥を突いているような気がします。
それでは、いざ開封!
覚悟はしていたものの、やはり包みを開けた瞬間には「ブルーチーズだ!」という匂いに圧倒されます。
しかし、数十秒も経ったころでしょうか「ブルーチーズにしては、控えめな匂いだな」と感じました。
そうです、3大ブルーチーズのあと2つである「ロックフォール」や「ゴルゴンゾーラ」と比べると明らかに穏やかな匂いなのです。
たしかに、ブルーチーズ特有のあの「○○みたいな匂い(○○の中はご自分で埋めてください^^)」はするのですが、凶暴さは感じません。
フォークで一口大のかたまりをとります。
この時「少しポロポロした感じがするな」と思いました。
ロックフォールやゴルゴンゾーラは「ねっとり」感があったのですが、スティルトンはほどける感じがします。
口にすると、匂い同様まろやかです。
たしかに、塩気は強いのですが、他と比べると抑えめ。
ブルーチーズ特有のピリッとした刺激もほぼありません。
それでいて、しっかりとコクあって食べ応えはしっかり。
ブルーチーズ初心者でも、スティルトンならおすすめできると思いました。
さて、こうしておいしいチーズを食べると、やっぱり欲しくなるのがワインですよね^^
何を合わせようかと考えたのですが、イギリスといえばかつてはボルドーワインの大消費地でしたので、ボルドーの赤にしました。
選んだものは、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローのブレンドでそこまで重くはなく、ほのかに甘さを感じるものです。
「この組み合わせ、バッチリ!」
スティルトンの旨味と塩味がワインの果実味を引き出します。
そして、ワインのタンニンとほのかな甘さで口の中をリセットした後は、次のスティルトンが一段深い味わいになります。
こうしてしばらくスティルトンとボルドーの赤を楽しんだ後は、いよいよ「どんな夢を見るのか」とワクワクしながら眠りにつきました。
本当に変な夢を見たのか?
まず、夢を見たのかといいますと、見ました。
それも、いくつも見ていた気がします。
夢を見ていたかと思うと、深い眠りに落ち、また今度は違う夢を見始める。
こんなことを、何度か繰り返した気がします。
ただし、目覚めたときに覚えていたのは、最後に見た夢だけです。
つまり、目覚める直前に見ていた夢しか記憶に残っていないのです。
では、その夢は変な夢だったのか?
結論から言うと「わかりません!」
内容は、某アイドルグループと話しをしていました。
詳しくは、私が司会をしているクイズ番組にそのアイドルグループが出演していて、いろいろとやり取りをしていたというものです。
この内容を聞いて、あなたは変な夢だと思いますか?
たしかに、私は司会なんてしたことありませんから、非現実的な内容ということで変な夢となるでしょう。
しかし、夢ってだいたい非現実的な内容ではないですか?
だから、非現実的なことを口にすると「夢みたいなことを言ってる」ってなるんですものね。
ですから「非現実的な内容だけど、変な夢とまでいえるかはわからない」というのが私の結論です。
変な夢を見る理由はスティルトンの成分にあった
ちなみに、この「スティルトンを食べると変な夢を見る」というのは、以下のように調査により確かめられているようです。
2005年、英国チーズ委員会(British Cheese Board)は「就寝前に食べたチーズと夢の関係」についての調査報告を行った。この中でスティルトンチーズはほかのチーズよりも「奇妙な夢」を見る確率が高いとしている。就寝30分前にスティルトン・チーズの小片20gを食べた被験者200人のうち、男性の75%は「奇妙で鮮明な夢」を、女性の85%が「奇怪な夢」を見たという。 |
引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イギリスのチーズ業界を代表する組織が発表しているので、データとしての信頼性は高いかと思います。
では、変な夢を見る原因は何なのでしょうか?
実は、スティルトンに含まれる成分が変な夢の原因になっているという説があります。
その一つ目が、チロシンというアミノ酸です。
チロシンは、脳の活動や気分に影響を与える神経伝達物質の、ドーパミンやノルアドレナリンの原料となります。
それで、スティルトンを食べると、チロシンが脳に届き、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌が増えます。
すると、脳が興奮状態になり、夢の内容も激しくなるということらしいのです。
もう一つが、ビタミンB6。
アデレード大学の研究で、ビタミンB6には夢を覚えておくことに効果があることがわかったそうです。
しかしこの研究では、ビタミンB6は夢の内容には影響を与えないということもわかりました。
では、なぜ変な夢の原因の一つにビタミンB6があるといえるのか?
それは、夢を多く覚えていられるために、変な夢を見たときに忘れないでいられるということでしょう。
私たちは、見た夢をすべて覚えているわけではなく、ほとんどの夢をすぐに忘れてしまいます。
先ほどお話しした私の体験でも、いくつか夢を見たけども最後の夢しか覚えていませんでした。
こうして、本来ならすぐ忘れてしまうのに覚えていられるので、変な夢を見たという記憶が残りやすいのでしょう。
ただし、今挙げた2つはあくまでも説であり、科学的に証明されたものではありません。
スティルトンを食べても変な夢を見ない人もいるでしょうし、逆に他のチーズを食べたり、チーズを食べなかったりしても変な夢を見る人もいるかもしれません。
とはいえ、スティルトンを食べると変な夢を見る可能性が高くなるとはいえそうなので、もし変な夢を見たくないのなら、寝る前にスティルトンを食べるのは避けたほうがよいでしょう。
なお、下にチーズの種類別ビタミンB6の含有量を示す表を掲載しておきます。
元になるデータでは、「ブルー」としか表記がないのですが、スティルトンもブルーチーズの一つなので、含有量は大きく変わらないと思ってよいでしょう。
この表を見ると、他のチーズと比べてブルーチーズのビタミンB6含有量がかなり多いことがお分かりいただけると思います(シェーブルチーズのビタミンB6含有量はさらに多いのですが、シェーブルに変な夢を見るという噂はないようです)。
各種チーズのビタミンB6含有量(100g中)
名称 | ビタミンB6 (mg) |
エダム | 0.06 |
エメンタール | 0.07 |
カッテージ | 0.03 |
カマンベール | 0.08 |
クリーム | 0.03 |
ゴーダ | 0.05 |
チェダー | 0.07 |
パルミジャーノ | 0.05 |
ブルー(スティルトン) | 0.15 |
マスカルポーネ | 0.03 |
モッツァレラ | 0.02 |
シェーブル | 0.23 |
リコッタ | 0.06 |
プロセスチーズ | 0.01 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
スティルトンとはどんなチーズ?
ここまでに、スティルトン自体についてあまり述べてきませんでしたので、これからスティルトンはどんなチーズなのかについてお話ししてまいります。
世界3大ブルーチーズの一つ
スティルトンは、先ほどもお伝えしたようにブルーチーズです。
ブルーチーズといえば、青カビを繁殖させて作り、独特の風味と香りがあるのはご存知ですよね。
スティルトンが作られているのはイギリスで、フランス産のロックフォール、イタリア産のゴルゴンゾーラと並んで、世界3大ブルーチーズと呼ばれています。
スティルトンは、17世紀にイングランド中部のスティルトン村で作られたのが始まりとされていますが、現在ではスティルトン村では作られていません。
ダービーシャー・レスターシャー・ノッティンガムシャーの3つの州で作られたものだけが、イギリス政府から正式に認められています。
原料は牛乳で、製造途中に青カビを混ぜ込み、9週間前後熟成させるのが一般的です。
単にスティルトンといった場合、通常はこの青カビチーズの「ブルースティルトン」を差しますが、青カビを使用しない「ホワイトスティルトン」も作られています。
また、エリザベス2世女王の大好物だったらしく、朝から食べていたそうです。
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スティルトンはどこで買えるの?
スティルトンは、世界三大ブルーチーズの一つとして有名ではあるものの、日本では若干手に入れにくいかと思います。
一般的なスーパーやコンビニではなかなか見かけません。
では、どこで手に入れることができるのでしょうか?
スティルトンを販売しているお店は、主に以下のようなところです。
・ナチュラルチーズ専門店
・インポート食品店
・オンラインショップ
ナチュラルチーズ専門店
チーズの種類や品質にこだわっているお店で、スティルトンを含む多くの青カビチーズを取り扱っています。
ただし、店舗数は少なく、都市部に集中している場合が多いです。
お住まいの場所によっては、直接お店に足を運ぶのは難しいかもしれません。
インポート食品店
海外から輸入された食品を多く販売しているお店で、スティルトンを含むイギリス産のチーズを始め、各国のチーズを購入できます。
ただし、品揃えは店舗によって異なりますので、事前に確認するとよいでしょう。
オンラインショップ
インターネットで注文して自宅に届けてもらえます。
スティルトンを含む多くのチーズを取り扱っている店舗がいろいろあります。
ただし、送料や配送日数に注意が必要です。
スティルトンのおすすめの食べ方は?
スティルトンは、そのまま食べるのはもちろん、様々な料理にも使える万能なチーズです。
ここでは、スティルトンのおすすめの食べ方をいくつか紹介します。
ワインと一緒に
スティルトンは、ワインとの相性が抜群です。
特に、ボルドーの赤ワインのようにしっかりしたものがおすすめです。
他にも、甘みのあるポートワインやシェリーともよく合います。
スティルトンの塩気とコクが、ワインの甘味と酸味を引き立てます。
チーズとワインの組み合わせは、イギリスでも伝統的なデザートとして人気です。
ハチミツやジャムをかけて
スティルトンの塩味を抑えて、コクやうま味を引き出すのが、ハチミツやジャムです。
単品で食べては気づけない味わいが、あぶり出されるように現れてきます。
この経験は、軽いカルチャーショックとなるでしょう。
料理に使って
スティルトンは、様々な料理でアクセントとして使えます。
例えば、リンゴやセロリと一緒にサラダにすると、かなり存在感のあるサラダに変身します。
肉料理にも、トッピングしたりソースに混ぜたりすることで、風味が格段とアップし、うま味がさらに増すでしょう。
他にも、スープに溶かして香り付けに使うのもおすすめです。
特に、ブロッコリーなどを使った野菜スープに合います。
そして、忘れてはいけないのが、クリームパスタに加えること。
クリームソースがより深みを増して、後引く一皿となるでしょう。
まとめ
「スティルトンを食べると変な夢を見るという噂は本当か」ということで、私は実際に試してみましたが、微妙な結果となってしまいました。
たしかに、夢の内容は普段の私とは遠い世界といえるものですが、でも夢とは普通そんなモノともいえます。
また、スティルトンに含まれる成分が脳に影響を与える可能性があるという説もありますが、科学的な根拠はまだ不十分です。
このような結論となってしまいましたが、あなたがどうなるかはわかりません。
あなたもご自身で試していただくのがよいかと思います。
何より、スティルトンはおいしいチーズで、ワインに合わせたり料理に使ったりと、それだけで十分満足できるものです。
多少手に入れづらいかもしれませんが、ぜひ買って食べてみてください。 もちろん、スティルトンを食べて変な夢を見たら、周りの人にシェアすることをお忘れなく