チーズを語るならばこの国は外せない!フランスチーズの種類と特徴、歴史などを解説

「チーズと国」を主題に置いたときに、外しては語れない国がいくつかあります。その筆頭となるのが、「フランス」です。

チーズの歴史において偉大なる功績をいくつも残し、語るべきチーズをいくつも持つこのフランスのチーズをここで取り上げ、

・フランスにおけるチーズの歴史

・フランスのチーズ事情とその特徴

・フランスの代表的なチーズ5つ

を紹介していきます。

フランスにおけるチーズの歴史

bluecheese-Roquefort

西欧で初めてチーズが作られた場所はイタリアだといわれていますが、フランスのチーズの歴史もこの「イタリア」の影響を受けています。

今でもその名前が広く知られている古代ローマの勇将ガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)は、その戦歴のなかで、ガリア地方にまで足を延ばして現在のドイツにまで至りました。

ガイウス・ユリウス・カエサルは、「ブルータス、お前もか」という言葉を残して死に至るまで、数多くの国々を征服していきました。

その過程において、ガイウス・ユリウス・カエサルは、当時のローマの文化を征服した地域に植え付けていったといわれています。そしてその「ローマの文化」のなかには、チーズ作りも含まれていました。

今でも私たちを楽しませてくれる「フランスのチーズ」は、このようにガイウス・ユリウス・カエサルの進軍によって生み出されたものでした。なお、この進軍~征服のなかで、チーズのパートナーであるワイン造りの技法も伝えられています。

さて、こうしてフランスにもたらされたチーズのなかには、現在にも長く生き続けているものがあります。

それが、「ロックフォール」と「カンタル」です。

その味わいや特徴については後述しますが、この2つは古代ローマ時代に著わされたブリニウスの「博物誌」の第11章に、すでにその存在を確認することができます。

つまりこの2つは、2000年以上の歴史を持つわけです。

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フランスは世界一のチーズ消費国!~フランスのチーズ事情とその特徴

フランスのチーズショップ

ここからは、チーズのチーズ事情と、フランスのチーズの特徴について解説していきます。

フランス人は年間で26キロ以上のチーズを食べている

様々なフランスチーズ

フランスは、押しも押されもせぬチーズ大国です。年間の生産量こそ、アメリカやドイツの後塵を拝していますが、消費量では同道の第1位です。

フランスは年間に1人あたり26.2キロものチーズを食べるという調査結果が出ています。

これは、「生産量」の面ではフランスを上回るドイツの24.2キロを抑えた数字であり、単独1位をマークしています。

ちなみにこれは、日本の実に13倍にもあたる数字です。近年は日本でもチーズの消費量は増えてきたといわれていますが、それでも、日本のチーズ消費量はわずか2.2キロにとどまっています。

この統計を見るだけでも、フランスに住む人々にとっていかにチーズが身近な食材であるかがわかるでしょう。

フランスの「チーズの種類の多さ」を物語るエピソード

フランスのスーパーに足を運ぶと、そこには常に大量のチーズが積み上げられています。種類も非常に豊富であり、日本では見ることもないようなものもたくさんそろっています。

この記事では「フランスの特徴的なチーズ」を紹介していますが、その選定作業にも迷いが生じるほど、多種多様なチーズが展開しているのです。

チーズの種類がもっとも豊かである国のうちのひとつのフランスですが、実はあまりにもその数は膨大過ぎて、「どれくらいの種類があるのか」の詳細は不明だとされています。

また、フランスのチーズを語るうえでしばしば使われる言い回しとして、

“「1つの村に1つのチーズ」-引用チーズクラブ「チーズで世界旅行」https://www.meg-snow.com/cheeseclub/knowledge/world_journey/#anc-01”というものがあります。

フランスにある無数の村に、それぞれが得意とするチーズがあるわけです。

また、これはフランスに限ったことではありませんが、かつてチーズは当たり前に個人宅で作られるものでした。

日本における漬物のように、各家庭にそれぞれのチーズのレシピがあったと考えられています。

ちなみに嫁入り道具として、チーズを作る道具を持たされていたとも言われています。

後で詳しく述べる「カマンベール」もまた、カマンベール村の一主婦が作り出したものです。

この「それぞれの家庭で作られるチーズ」も「フランスのチーズの種類」に換算するとしたら、その量が非常に膨大なものであることがわかることでしょう。

種類が豊富だからこそ、それぞれのカテゴリーに「語るべきチーズ」がある

カットされた様々なチーズ

チーズは大きく分けて

・フレッシュチーズ

・白カビチーズ

・青カビチーズ

・セミハードおよびハードチーズ

・ウォッシュチーズ

・シェーブルチーズ

に分かれています。

詳しくはこちらで解説していますが、ここでも簡単に説明しておきます。

・フレッシュチーズ……熟成を経ていないチーズのことをいいます。一般的にくせがなく、味もあっさりしているのが特徴です。

・白カビチーズ……表面に白カビがついているチーズです。柔らかい味わいをしていることが多く、クリーミーな質感を持ちます。「カビ」と言っていますが、食べやすいチーズが多いのが特徴です。

・青カビチーズ……青カビを利用したチーズです。白カビチーズとは異なり、強烈でインパクトのある塩味を持っていることが多いといえます。濃厚で、パンチのある味が楽しめます。

・セミハードおよびハードチーズ……セミハードは水分量が38~46パーセント、ハードチーズは水分量が38パーセント以下で作られています。名前通り「固さ」を持つものです。セミハードは非常に食べやすく初心者さんでも楽しめるもので、ハードチーズはコクのある味わいが楽しめるのが魅力です。

・ウォッシュチーズ……チーズの表面を、塩水や酒で洗いながら作ったチーズです。個性が強いものが多く、味わいも主張も強めで、非常に独特の味に仕上がります。好き嫌いがはっきり分かれるチーズであり、玄人向けです。

・シェーブルチーズ……ヤギのミルクを使って作られるチーズをいいます。これも個性的ですが、匂いはウォッシュチーズよりも控えめなものが多いといえるでしょう。形もユニークで見る人を楽しませてくれますが、これも玄人向けです。

※パスタフィラータチーズも「代表的なチーズの種類」に入ってくることがありますが、ここでは除外しています。また、ナチュラルチーズを取り上げる記事であるため、プロセスチーズについては触れません。

フランスの場合、前述したように非常にチーズの種類が豊富です。チーズの専門書などを手に取っても、おそらくフランスのものがもっとも多く紹介されていることでしょう。

このような状況下にあるため、フランスは、上で挙げた「代表的なチーズのカテゴリー」のすべてにおいて、語るべきチーズがあります。なかには、それぞれのカテゴリーの代名詞的な存在になっているものさえあります。

フランスには、あらゆる種類のチーズが、それぞれに絶大的な知名度を以て存在しているのです。

この知名度の高さは日本においてももちろん健在です。

日本でもフランスのチーズは広く知れ渡っています。現在はスーパーなどでも気軽にフランスのチーズを購入できますし、通販でも気軽に買うことができます。

その意味では、フランスのチーズは日本にとっても非常に身近なものだといえるでしょう。

美食大国フランスにおける、チーズと料理の関わり方

数多くのチーズが流通しているフランスにおいては、食事のときに複数種類のチーズが出されるのが普通です。

現在は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあって難しいかもしれませんが、フランスに足を運んだ人は、きっとその種類の豊富さに驚かされることでしょう。

モーニングビュッフェなどであってさえ、いくつものチーズが並んでいるからです。

また、フランス料理をコース料理で楽しむ場合、デザートの前にチーズの案内があるはずです。

これを希望した場合、お店によって異なりますが5種類~10種類程度のチーズのなかから任意のチーズをチョイスして、皿に切り分けてもらうことになります(ドライフルーツやクラッカーが添えられるケースも多いといえます)。

また日本のフレンチレストランでは、「チーズの後にデザート」となることが圧倒的多数ではありますが、フランスでは「チーズか、それともデザートか?」で選べるようになっているお店もよくあります。

美食大国として名高いフランスが、この偉大なる自国のチーズを料理に採用しないはずがありません。

フランスではチーズを使った料理がいくつも展開されていますが、そのなかでももっとも有名なのは、やはり「キッシュ・ロレーヌ(キッシュロレーヌとも。ここでは『キッシュ・ロレーヌ』の表記に統一)」でしょう。

キッシュ・ロレーヌは、フランスの北東にある「ロレーヌ」という場所で生まれ、愛されてきた料理です。キッシュにはさまざまなバリエーションがありますが、キッシュ・ロレーヌの場合は、「生地に、ベーコンとおろしたチーズ(多くの場合はグリュイエールチーズ)、それから生クリームと卵で作ったアパレイユを合わせて焼き上げる」という方法をとります。

ふんだんにチーズを使ったこのキッシュ・ロレーヌは、昔から多くの人の舌を楽しませてきました。一説には15世紀以前からキッシュという料理が作られていたともいわれています。

ちなみに、「キッシュ」という名称自体は、ドイツ語から来ていると推測されています。ドイツ語の「クーヘン」が「キッシュ」になったと考えられています。ちなみに「クーヘン」と「キッシュ」は日本語で表すとまったく異なる単語に見えますが、英文字で綴ると似ている部分が多いのです。

なお、この「キッシュ・ロレーヌ」は家庭料理のひとつでもあるので、日本の一般家庭でも作れます。生地のとりまとめなどにやや時間がかかることはありますが、それほど難しいものではないので一度チャレンジしてみるのもよいでしょう。

出典;

CNETランスのチーズ消費量は日本の10倍以上――トリップグラフィックス」内トリップアドバイザー「世界のチーズ消費量」

https://japan.cnet.com/article/35067230/

フランスにはおいしいチーズがたくさん!代表的なチーズ・特徴的なチーズ6つ

上記でも述べたように、フランスは数多くのチーズを生産している国であり、またその消費している国でもあります。

その膨大な数の「フランスのチーズ」のなかから、代表的なものや個性的なもの、また逆にあまり取り上げられることはないけれども一度は食べてみたいものなどを紹介していきます。

カマンベール・ド・ノルマンディー(白カビチーズ)

カマンベール・ド・ノルマンディ

カマンベールというチーズは、だれもが一度は聞いたことのあるものでしょう。

また、「カマンベール・ド・ノルマンディー(『カマンベール・ド・ノルマンディ』とも。ここでは『カマンベール・ド・ノルマンディー』の表記に統一する)」も非常によく知られたものです。

しかしこのカマンベールチーズは、非常に説明が難しいものでもあります。

なぜなら、カマンベールという名称は、あるチーズのカテゴリーの総称であると同時に、個別のチーズを指す言葉だからです。

ここでは、「カマンベール」と「」つきで記した場合は「カマンベール・ド・ノルマンディー以外のカマンベール」を、「」なしでカマンベールした場合は「カマンベール・ド・ノルマンディー以外のカマンベールと、カマンベール・ド・ノルマンディーの総称」と考えてください。

カマンベールには、「カマンベール・ド・ノルマンディーと、それ以外のもの」があります。

カマンベールは、殺菌処理をしていない牛乳を使って作られる白カビチーズ(※これ以外にも製法にっ関する多くの決まりがあります)のことです。そしてそのなかでも、カマンベール・ド・ノルマンディーは、「この製法の決まりを守ったチーズであり、かつ特定の地方(ノルマンディー地方)で作られたもの」にしかつけられない名前です。

たとえば、カマンベール・ド・ノルマンディーとまったく同じ製法で作られた「カマンベール」であり、かつそれがカマンベール・ド・ノルマンディーよりもおいしいものであったとしても、「カマンベール・ド・ノルマンディー」とは名乗れません。

カマンベール・ド・ノルマンディーと名乗ることができるのは、あくまで「カメンベールの製法を守り、かつフランスのノルマンディー地方で作られたチーズ」に限られているのです。

なお、日本では「カマンベール」も「カマンベール・ド・ノルマンディー」も、両方とも簡単に手に入ります。日本で作られた「カマンベール」もよく販売されていますから、これを購入してみるのもよいでしょう。

ちなみにこの「カマンベール・ド・ノルマンディー」は、もともとはフランスのノルマンディー地方のカマンベール村の一主婦が作っていたチーズだといわれています。

誕生したのは18世紀のころで、「木箱に入っているため、どこにでも運搬できる」ということで、世界中に広まっていきました。ただ、このときはまだ「カマンベール・ド・ノルマンディー」と「カマンベール」を分けるための法律がなかったため、世界中で(フランスが望まないかたちでの)「カマンベール・ド・ノルマンディーの模倣品」が出てしまうようになりました。

その対策として、1983年にフランスが、「一般的な『カマンベール』と、カマンベール・ド・ノルマンディーを分ける法律」を制定したのです。

カマンベール・ド・ノルマンディーと「カマンベール」の違いは、非常にわかりやすいといえます。

カマンベール・ド・ノルマンディーは一般的な「カマンベール」に比べて濃厚で、深いコクを持ちます。

熟成が進むとクリーミーになっていき、香りもより豊かになります。チーズ初心者さんは、(カマンベール・ド・ノルマンディーに限ったことではありませんが)熟成が進みすぎないうちに食べた方が食べやすいでしょう。

しかし、食べやすいチーズの代表格であるカマンベール・ド・ノルマンディーは、たとえ熟成が進んだとしても、食べられないほど強すぎる香りを持つことはありません。

カマンベール・ド・ノルマンディーはなんにでもよく合いますが、リンゴのお酒であるシードルと相性がよいでしょう。また、フルーツと組み合わせてもおいしく食べることができます。ちなみに、11月に登場するあのボジョレー・ヌーボー(ボジョレー・ヌーヴォーとも)とも非常に相性の良いチーズです。

ロックフォール(青カビチーズ)

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カマンベール・ド・ノルマンディーに次ぐ知名度を誇るフランスのチーズといえば、「ロックフォール」でしょう。

このロックフォールは、上でも述べたように、非常に長い歴史を持っています。フランスで生まれたチーズのなかではもっとも長い歴史を持っているもののうちのひとつで、実に2000年もの時間を多くの人に愛されて過ごしてきました。

このロックフォールの生まれ故郷は、フランスのコンバルー山の洞窟です。石灰岩でできたこの洞窟に、ある羊飼いが羊父のチーズを置き忘れてきてしまいました。

彼がその「忘れられたチーズ」に再会したのは、それから数か月後のことです。このとき、忘れられたチーズは豊かな青カビに覆われていました。この「青カビに覆われたチーズ」こそが、現在のロックフォールの起源なのです。

ただの置き忘れられたチーズがすばらしいものに変化したのは、洞窟を吹く「フルリーヌ」という風によるところが大きいといえます。適度に湿ったこの風が、ロックフォールを熟成させるのです。

ちなみにカマンベール・ド・ノルマンディー同様、「ロックフォール」の名前も、このコンパルー山の洞窟で作られたもののみにしかつけてはならないと定められています。

青カビチーズらしい鋭くて刺激的な味わいが、ロックフォールの特徴です。しかし比較的食べやすい青カビチーズではあるので、ある程度チーズに慣れた人ならば問題なく食べられるでしょう。

赤ワインや牛肉のステーキと非常によく合いますが、それとはまったく真逆の発想で「甘いもの」に合わせてもよく調和します。

焼いたバケットの上にスライスしたロックフォールを置き、はちみつをかけて食べてもよいでしょう。

ちなみに、ロックフォールは世界三大チーズのうちのひとつです。残りの2つは、イギリス生まれの「スティルトン」とイタリア生まれの「「ゴルゴンゾーラ」です。

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カンタル(セミハード・ハードチーズ)

ロックフォールと同じくらいの長い歴史を持つ「カンタル」は、ハード・セミハードチーズに分類されます。

非常に面白いチーズであり、口の中に入れたときにシュワっとほどけます。この独特の食感はカンタルでしか味わえないものであるため、これを目当てに食べてみても損はありません。

ナッツの香りとともに優しい味が口の中に広がるチーズですが、どことなく酸味を感じさせるチーズでもあります。その意味でも、非常に個性的なチーズだといえるでしょう。

「フランスは、料理にもよくチーズを使う」としましたが、その「チーズを使った料理」のなかのひとつとして、「アリゴ」があります。アリゴはフランスの郷土料理であり、マッシュポテトにバターと牛乳、カンタルを加えたものです。味付けは、ニンニクと塩・コショウが担当します。これはもともと、夏の間中を山で過ごす農家が作った料理だとされています。現在はインターネットでレシピも手に入りますから、一度家で作ってみるのもよいでしょう。

マンステール(ウォッシュチーズ)

ウォッシュチーズはどれも個性的な香りとクセを持つものですが、フランスの「マンステール」はそのなかでも随一の個性派です。酔っぱらいそうなほどのとてつもなく強い香りを放つチーズであるため、ほかのチーズと一緒の容器に片づけることは推奨されません。マンステールだけを別の容器で保管すべきでしょう。味自体はそれほど強いチーズではありませんが、その香りゆえ、初心者さんにはおすすめしません。「ウォッシュが好きである」という上級者さん向きのチーズだといえます。

赤ワインと合わせて食べたくなる個性派ですが、オムレツの中に入れても意外なほどおいしく食べることができます。また、ゆであげたジャガイモともよくマッチします。

サン・マルスラン(フレッシュチーズ)

「フレッシュチーズといえば、軽い口当たりでちょっと味気ないもの」と思っている人におすすめしたいのが、「サン・マルスラン」です。

フランス産のこのサン・マルスランは、フレッシュチーズとは思えないほどの濃厚さを誇るチーズであり、強いミルク分を感じさせます。

ただサン・マルスランは、商品によってかなり違った味わいをみせるので、いくつか試してみて「自分に合うサン・マルスラン」を提供しているお店を探していくのも楽しいでしょう。

サン・マルスランは、リヨンのチーズ商人であるリシャールおばさんによって開発されたチーズでありますが、そのおいしさを認められ、ポール・ボキューズ(フレンチの名シェフ。

なお、同名のレストランを日本にも出店している)に紹介されて脚光を浴びました。

ちなみに、サン・マルスランの誕生は19世紀のころだとされています。鉄道の開通前までは羊乳で作られていましたが、そこに牛乳が混じるようになり、そしてやがて牛乳のみで製造されるようになったという経緯を持ちます。

現在販売されているサン・マルスランは、牛乳で作られています。

ヴァランセ(シェーブルチーズ)

最後に紹介する「ヴァランセ」は、シェーブルチーズに分類されるものです。

シェーブルらしい個性的な形で、「頭をとられたピラミッド型」とでもいうべき形状をしています。

ちなみにヴァランセが「頭をとられた」原因は、ナポレオン・ボナパルトにあります。

エジプト攻略に失敗していらだったナポレオンは、ヴァランセ村で作られていたピラミッド型のヴァランセチーズに怒りをあらわにし、その頭頂部を切りおとしてしまったのです。

鼻を突き抜けるような刺激的な香りを持ちます。

しばしば「クセがないチーズ」ともいわれますが、このあたりは評価が分かれるでしょう。

チーズの専門家のなかでも、「独特の山羊乳の香りが口の中で広がり、絡みつく」と評す人もいます。

少量でも十分に満足できるほどの濃厚さを持っているのがヴァランセの特徴ですが、「人によって大きく評価が異なること」「カテゴリー自体の特徴として、『個性的でクセがある』とされるシェーブルチーズであること」を踏まえれば、初心者さんにはあまりおすすめできません。

クセのあるチーズもまた楽しめるほどの余裕と知識を持った人こそが、このヴァランセを口に運ぶべきだといえるでしょう。

今回は6つのチーズを紹介しました。やや独断は混じりますが、食べやすさ順にすると、

カマンベール・ド・ノルマンディー>サン・マルセラン>カンタル≧ロックフォール>>>マンステール>ヴァランセ となるでしょう。

サン・マルセランまでが初心者さん向け、カンタルとロックフォールは初心者~中級者さん向け、マンステールとヴァランセは上級者さん向け、となります。

このように、豊富で、まったく性質・性格の異なるチーズを生み出せるのは、やはりフランスがチーズ大国であることによるのでしょう。

「国別のチーズ」を語ろうとするとき、フランスを除くことは決してできません。世界最大のチーズ消費国にして、あまりにも多くの種類のチーズを生み出し続けるフランスという国は、これからも不動のチーズ大国であり続けることでしょう。

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