あなたはチーズが好きですか?
チーズは栄養価が高く、おいしいものですが、種類が多くて選ぶのが難しいと感じる人も多いようです。
特に、チーズ初心者の人は、どれを選んでいいのかわからず、結果として香りや味に抵抗感を覚え、嫌いになってしまうこともあるかもしれません。
そこでこの記事では、チーズ初心者の人におすすめのチーズをご紹介します。
チーズの基礎知識を理解して、スーパーなどで食べやすいチーズを選べるようになっていただき、さらに楽しみ方もいろいろ知っていただこうと考えています。 チーズに興味があるけど、どこから始めればいいかわからないという場合は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
初心者にもわかりやすい、チーズの基礎知識
私たちは古くからチーズを食料としてきました。
そのため、さまざまな種類があり、香りや味、食感もいろいろです。
この章では、チーズの基礎知識を初心者にもわかりやすくご紹介しますので、チーズの種類や特徴、選び方について、ぜひ参考にしてください。
チーズの種類と特徴
チーズは、牛や羊、ヤギなどの乳を発酵させて固めた食品です。
作り方もさまざまあり、それにより個性や味わいが大きく異なります。
チーズの種類を知ることで、自分に合ったチーズを見つけやすくなりますので、チーズの種類と特徴について簡単に説明します。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズとは、原料の乳に乳酸菌やレンネットという酵素を加えて固めたものです。
ナチュラルチーズには、作り方や熟成期間などによって、さまざまな種類があります。
主な分類は次のようになります。
フレッシュチーズ
新鮮な乳から作られる柔らかいチーズ。水分が多くてミルキーなものが特徴です。熟成期間が短いため、比較的軽やかで、まろやかな酸味と爽やかな風味があります。
白カビチーズ
表面に白いカビが生えている特徴的なチーズ。しかし、カビの働きにより、内部では独特の風味や柔らかい食感が生まれます。クリーミーで豊かな味わいを持ち、軽い酸味とミルクのような風味が特徴です。
ウォッシュチーズ
熟成期間中に塩水などで洗浄し、特徴的な外観と風味を持つチーズ。外側には橙色やピンク色の菌が繁殖し、独特の香りが広がります。一般的には柔らかい食感で、風味はリッチでクリーミーです。
シェーブルチーズ
ヤギの乳を主成分として作られる柔らかいチーズ。熟成期間が短く、クリーミーでやや硬めの食感を持つものが多いです。優しい酸味と軽やかな風味が特徴で、まろやかな口当たりが楽しめます。
青カビチーズ
青緑色のカビがチーズ内部に生えているチーズ。カビによる独特の風味が特徴です。クリーミーでありながらも塩味とピリッとした刺激が目立ち、かすかな甘みも感じられます。
セミハードチーズ
製造過程で水分を減らした、やや硬め(半硬質)のチーズ。熟成期間がある程度あり、ナッツのようなコクのある風味が特徴です。比較的クセが少ないため、料理に使われることが多く、プロセスチーズの原料としても一般的です。
ハードチーズ
熟成期間が長く非常に硬い食感を持つチーズ。塩気が強く、乾燥しているため保存性が高く、長期間保存が可能です。濃厚なコクがあり、粉状にしたり削ったりしてパスタやサラダに振りかけて食べられることも一般的です。
プロセスチーズ
プロセスチーズとは、ナチュラルチーズを加熱して溶かし、乳化剤などを加えて再び固めたチーズのことです。
ナチュラルチーズに比べて保存性が高く、食べやすいという特徴があります。
また、さまざまな形のものがあり、料理にもよく使われます。
ナチュラルチーズのように熟成させる必要がないので、コストも安く抑えられるため、市販の商品も多くて手軽に購入可能です。
プロセスチーズについて、詳しくはこちらをご覧ください。
初心者におすすめのチーズの選び方
チーズは、さまざまな種類や味がありますが、初心者におすすめのチーズを選ぶポイントは何でしょうか?
一般的に、チーズは次の要素によりクセが強くなり、初心者には食べづらくなります。
・熟成度
・カビや乳酸菌以外の菌
・塩分
熟成度が高いチーズは、発酵や酸化によって風味が強くなります。
カビや菌によっても、独特の香りや味が出るため抵抗を感じるでしょう。
塩分が多いチーズも、初心者にとっては食べにくいと感じさせる要因となります。
ということは、以上のものが少ないのが、クセがなく食べやすいチーズということです。
このようなチーズを、次で紹介します。
チーズの種類について、詳しくはこちらをご覧ください。
スーパーでも買える、初心者におすすめのチーズ
先ほど、初心者におすすめのチーズの選び方をお伝えしました。
この章では、スーパーでも手軽に買える、初心者におすすめのチーズをご紹介します。
初心者におすすめのチーズ
チーズの種類 | 特徴 |
プロセスチーズ | ・クセの少ないナチュラルチーズを原料にしているため、味や香りが穏やかで食べやすい ・保存性に優れており、味の変化が少ないため手間がかからない ・味や形のバリエーションがあり、選択肢が多い ・スーパーやコンビニなどで手軽に入手できる |
フレッシュチーズ | ・乳や生クリームを固めて水分を切るなどのプロセスを経て作られるシンプルなチーズ ・まろやかでクリーミーな味わいが特徴で初心者に食べやすい ・クリームチーズやモッツァレラ、マスカルポーネ、カッテージチーズなどが一般的 ・保存性はあまり高くないため、早めに食べること |
セミハードチーズ | ・乳酸菌で発酵させた後に水分を抜いて固めて作られるチーズ ・熟成期間が短いものが初心者向けで、まろやかで甘みがあり食べやすい ・ゴーダチーズやエダムチーズ、チェダーチーズが一般的 ・スーパーで手に入りやすい |
白カビチーズ | ・カビの風味があるが、白カビは青カビと比べると穏やかで気にならないことが多い ・内部が柔らかくクリーミーで口の中でとろける食感が楽しめる ・カマンベールが代表的な白カビチーズであり、一般的にスーパーで入手可能 ・熟成が進むと独特のクセが強くなるため、早めに食べること |
プロセスチーズ
プロセスチーズは、一般的にクセの少ないナチュラルチーズを原料にして作られています。
そのため、味や香りが穏やかで、食べやすいのが特徴です。
また、保存性に優れており、味の変化もほとんどないので、食べごろを見極めるなどの手間も必要ありません。
一方で、作り方により味や形のバリエーションがあり、選択肢も多くあります。
スーパーやコンビニならどこでも手に入るほど普及しているため、初心者にはもっとも手軽に楽しめるチーズといえるでしょう。
フレッシュチーズ
フレッシュチーズとは、乳や生クリームを固めて水分を切るなどのプロセスを経て作られる、非常にシンプルなチーズです。
発酵プロセスの度合いによって違いはありますが、一般的にはまろやかでクリーミーな味わいが特徴であり、初心者にはもっとも食べやすいチーズといえるでしょう。
スーパーでよく見かけるフレッシュチーズには、クリームチーズやモッツァレラ、マスカルポーネ、カッテージチーズなどがあります。
ただし、フレッシュチーズは保存性があまり高くないため、購入後は早めに食べるようにしてください。
セミハードチーズ
セミハードチーズは、乳酸菌で発酵させた後に水分を抜いて固めて作られます。
短期間の熟成を経て製品となりますが、熟成期間が長いほど風味が強くなりますので、初心者には熟成期間が短いものがおすすめです。
熟成期間の短いセミハードチーズは、まろやかで甘みがあり、チーズ嫌いの人でも食べやすいでしょう。
スーパーで手に入りやすいセミハードチーズとしては、ゴーダチーズやエダムチーズ、チェダーチーズなどがあります。
白カビチーズ
少し背伸びをするのなら、この白カビチーズがおすすめです。
たしかに、カビからくる風味は少しあるものの、青カビと比べると穏やかでまったく気にならないこともあります。
チーズの内部が柔らかくてクリーミーなのが特徴で、口の中でとろける食感が病みつきになるかもしれません。
白カビチーズの代表はカマンベールで、スーパーならどこにでもあるはずです。
ただし、熟成が進むと独特のクセが強くなりますので、早めに食べるようにしてください。
初心者が避けるべき、クセの強いチーズ
先ほどは、初心者にもおすすめのチーズをご紹介しました。
この章では逆に、初心者のうちは選ばないほうがよいであろうチーズを紹介します。
初心者にはおすすめしないチーズ
チーズの種類 | 特徴 |
ブルーチーズ | ・青カビを繁殖させて作られるチーズで、香りや風味に強烈な特徴がある ・苦味や辛味と高い塩分が重なり、クセが強いとされる ・熟成が進むほどさらにクセが強くなるため注意が必要 ・ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンが有名な三大ブルーチーズ ・食べ慣れるとトリコになり、愛好家が多い |
ウォッシュチーズ | ・表面を塩水や酒で洗いながら熟成させるチーズで、表面に菌が発生し香りと味わいが強い ・表皮部分の香りは特に強烈で、ブルーチーズよりもクセがある ・熟成が進むと強いアンモニア臭がし、食べるのをためらうこともある ・内部はクリーミーでうま味が凝縮されている ・エポワスやタレッジョが有名なウォッシュチーズ ・初心者には向かないが、ギャップのある味わいに惹かれる人も多い |
ブルーチーズ
青カビを繁殖させて作るブルーチーズは、香りや風味に強烈な特徴があります。
さらに、苦味や辛味に高い塩分も重なって、チーズの中でももっともクセが強いとされています。
これだけでも初心者にはハードルが高いのですが、熟成が進むとさらにクセが強くなりますので、うっかり食べてしまわないよう気を付けてください。
とはいえ、一度食べ慣れてしまうとトリコになってしまうのもこのブルーチーズで、多くの愛好家を引き付けています。
ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンが三大ブルーチーズとして有名です。
このブルーチーズもおいしく食べられるようになると、チーズ選びがより楽しくなるでしょう。
ウォッシュチーズ
ウォッシュチーズは、チーズの表面を塩水や酒などで洗いながら熟成させる製法のため、表面に菌が発生し、強い香りと味わいを持つようになります。
先ほど「ブルーチーズがもっともクセが強い」と書きましたが、実はこのウォッシュチーズも相当なクセを持っています。
特に表皮部分の香りは、ブルーチーズよりも一層強烈といってよいでしょう。
熟成が進んだものでは、強いアンモニア臭がし、食べるのをためらってしまうほどになります。
ただし、表面とは対照的に、内部はクリーミーでうま味が凝縮されています。
この「チーズ界のツンデレ」ともいえるギャップに、ハマってしまう人も多いようです。
スーパーで見かけることは少ないと思いますが、エポワスやタレッジョが有名です。
ウォッシュチーズは初心者には向かないのですが、もし挑戦したいと思ったら、まずは少量から試してみてください。
チーズ初心者におすすめの楽しみ方
チーズはいろいろな楽しみ方ができる食品です。
いろいろな楽しみ方をしているうちに、おいしいと感じるチーズの種類も増えていくはずです。
まずは今回紹介する食べ方で、気軽にチーズを楽しんでみましょう。
そのまま食べる
まずはシンプルに、そのまま食べるのがおすすめです。
ただし、ちょっとした工夫でもっとおいしく食べられますので、これからご紹介することを試してみてください。
チーズは冷蔵庫から出して常温に戻すと、よりおいしくなります。
一般的には、食べる30分~1時間前に冷蔵庫から出しておくとよいでしょう。
ただし、夏場や暖かい場所では、チーズが溶けたり傷んだりする可能性がありますので、注意してください。
次に、適切な大きさにカットして口に入れることです。
大きさによって、口の中での溶けやすさや風味の広がり方が変わってきます。
熟成度や塩分によって、量を加減するようにしてください。
最後に、ドライフルーツやジャム、ハチミツなどと一緒に食べることで、味わいの変化を楽しめます。
クセを感じるチーズも、ドライフルーツやジャム、ハチミツなどの甘みがクセをやわらげ、おいしさを引き出すことがあります。
これらの食材は手に入りやすいので、チーズを食べるときには用意しておくとよいでしょう。
チーズの切り方について、詳しくはこちらをご覧ください。
チーズとドライフルーツの相性について、詳しくはこちらをご覧ください。
料理に使う
チーズは料理に使うと、味や食感が変わって、よりおいしくなります。
チーズ初心者におすすめの料理に使うチーズは、以下の3つです。
プロセスチーズ
プロセスチーズは、溶けやすくてコクがあるため、トーストやピザ、グラタン、ドリアなど、焼く料理にぴったりです。
また、カレーやシチューなどの煮込み料理にも入れると、とろみが出て風味がアップします。
フレッシュチーズ
フレッシュチーズは、水分が多くてさっぱりしているため、サラダやパスタなどに合います。
冷たい料理でも温かい料理でも幅広く使えます。
さらに、デザートにも使え、ティラミスやチーズケーキなどを作るのもよいでしょう。
ハード系チーズ
ハード系チーズは熟成されているので、香りや旨味が強く、料理にコクを与えるのにピッタリです。
パルミジャーノチーズなどは、すりおろしてパスタやピザ、サラダなどにかけると、風味が豊かになります。
また、ゴーダチーズなどは、薄くスライスしてハムや野菜と一緒にベーグルで挟むとおいしくて栄養のバランスもとれた一品として楽しめます。
ワインに合わせる
チーズとワインは相性が良いと言われていますが、初心者の方はどのように合わせればよいのでしょうか?
今回、初心者におすすめのチーズとして紹介したものは、基本的には白ワインとの組み合わせに向いています。
特にフレッシュチーズは、爽やかな白ワインと一緒に楽しんでいただくのがよいでしょう。
もう少しコクのあるチーズであれば、赤ワインと合わせることもできますが、その際は軽めの赤ワインにすることをおすすめします。
チーズを一口食べた後、その余韻が残っているうちにワインを少量含むと、ワイン単体では気づかなかった香りや味わいが表れてきます。
そして、ワインを飲み干した後は、次に口にするチーズの旨味をより強く感じるでしょう。
こうして、チーズとワインのラリーは延々と続き、いつ止めてよいのかが分からなくなるはずです。
ぜひ、この幸せなラリーを楽しんでください。
チーズとワインの相性について、詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
チーズは誰でも楽しめる食べ物です。
ただ、種類が多く、さまざまな特徴があるために、中には初心者には食べづらく感じるものもあります。
そこで、チーズの種類やそれぞれの特徴を知ることで、自分に合ったチーズを選ぶことができるようになります。
今回は、チーズ初心者の人でも抵抗なく食べられ、かつスーパーでも買えるようなチーズを紹介してきました。
また、初心者にはあまりおすすめできない、クセの強いチーズもお伝えしました。
チーズはそのまま食べるのはもちろん、料理に使ったりワインに合わせたりすると、さらに美味しくなり、より楽しみの幅が広がりますので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。 こうして段階を踏みながら、チーズの魅力を味わい、より深い世界に入って行ってみてください。