チーズを毎日食べるとどうなる?健康効果と注意点、栄養成分について解説!

カットされた様々なチーズ

チーズは、おいしくて、栄養たっぷり。

毎日でも食べたくなる食品ですが、それだけに「食べ過ぎてはいけないのでは?」と心配になります。

実際のところ、チーズを毎日食べることはいいことなのでしょうか? 悪いことなのでしょうか?

今回は、チーズを毎日食べるとどうなるのかを、健康効果の面から見ていきます。

チーズに含まれる栄養素やチーズの適量の他、ついたくさん食べたくなるチーズですから、食べ過ぎのデメリットについても解説します。

チーズを毎日食べている、これから毎日食べたいと思っている、という人はぜひ最後までお読みください。

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目次

チーズは毎日食べても大丈夫?

チーズを食べる女性

結論から言うと、チーズは毎日食べても大丈夫です

チーズは、牛や羊などの乳を原料とし、乳酸菌や酵素で固形化したものなので、牛乳を毎日飲んではいけないと言われることがないように、チーズも毎日食べても問題ありません。

むしろ、私たちの普段の食生活では不足しがちな栄養素を多く含んでいますので、チーズを食べて栄養摂取することはおすすめです。そこで、どのような栄養を含んでいるか見ておきましょう。

また、どんな食品でも食べ過ぎると害になるように、チーズにも適量がありますので、それも見ておきましょう。

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チーズの栄養成分

チーズとドライフルーツ

チーズは牛などの乳が原料と述べましたが、100gのチーズを作るのに必要な乳は約1000mlとされています。ということは、チーズは乳の栄養素をそのまま含んでいるというよりも、乳の栄養素を凝縮した食品といってよいでしょう。

ですからチーズには、豊富に含まれている栄養素がいろいろとあります。

特に多く含まれている栄養素について見ていきましょう。

ただし、チーズはすべての栄養素を含んでいるわけではありません。

チーズを食べるだけでは不足してしまう栄養もありますので、それらについてもお伝えします。

チーズに特に多く含まれる栄養素

チーズにたくさん含まれる栄養素として、代表的なものはたんぱく質と脂質でしょう。

また、ミネラルやビタミン類も多く、特にカルシウムやビタミンA、B2などが豊富です。

ただし、各栄養素ともチーズの種類によって含まれる量は異なっています。

代表的なチーズの栄養素を表にまとめましたので、比較してみてください。

また、それぞれの栄養素が、私たちにどのような効果を与えてくれるのかについても解説します。

代表的なチーズのタンパク質等の栄養素(100g中)

種類名称タンパク質(g)脂質
(g)
カルシウム
(mg)
ビタミンA
(μg)
ビタミンB2
(mg)
ナチュラルチーズカッテージ13.34.555370.15
マスカルポーネ4.428.21503900.17
パルミジャーノ44.030.813002400.68
ブルーチーズ18.829.05902800.42
カマンベール19.124.74602400.48
シェーブル20.621.71302900.88
プロセスチーズ22.726.06302600.38

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

タンパク質

チーズに含まれる栄養素で、私たちにとって重要なものの一つがタンパク質です。

タンパク質は、成人男性の1日の推奨摂取量が約65gとされています。

プロセスチーズ100gに含まれるタンパク質は22.7gであり、推奨摂取量の1/3になりますので、チーズがタンパク質を豊富に含んでいることがわかるでしょう。

タンパク質は人体にとって不可欠な栄養素であり、その重要な成分が不足するとさまざまな症状につながる可能性があります。

というのも、私たちの全身の細胞はタンパク質からできているからです。

たとえば、皮膚や髪なども生まれ変わるためにはタンパク質が必要なので、十分なタンパク質がなければ新陳代謝が進まず美しくなくなってしまいます。

また、ダイエットにも悪影響を及ぼします。

というのも、タンパク質が不足すると筋肉が再生されないため、筋肉量が減少するからです。

カロリーを多く消費する筋肉が減ることはカロリーの総消費量も減少するので、摂取カロリーを抑えたとしても体重は減りにくく、体型も健康的なものでなくなってしまいます。

脂質

脂質もまた、チーズに多く含まれる栄養素であり、私たちの健康や美容に大きな役割りを果たすものです。

かつては「脂質=悪」とされていましたが、今では効能を見直されていて、上手に摂取することが推奨されています。

チーズに含まれる脂質の多くは短鎖・中鎖脂肪酸です。

これらは、一般的な油脂類である長鎖脂肪酸と比較すると、体内で燃焼されやすく、スムーズに熱へと変換されるため、脂肪として蓄積されにくいとされています。

ですから、チーズの脂質では、太りにくいといえます。

加えて、消化に時間がかかるためお腹がすきにくくなりますので、チーズの脂質はダイエット中には都合の良い食品ともいえます。

また、脂質は私たちの肌や髪の保湿にも効果があり、滑らかさを保つのにも役立ちます。

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カルシウム

十分な栄養を摂っていると思われる現代の日本人ですが、データによるとカルシウムに関しては多くの人が慢性的に不足しているようです。

カルシウムは体にとって重要な栄養素であり、成長の盛んなお子様に必要なばかりでなく、大人でもが原因で病気になることがありますので、すべての人の健康に欠かせないものといえるでしょう。

チーズは、そのカルシウムを効率よく摂ることができる食品です。

そのままでも料理に使っても様々な食べ方ができますので、カルシウム摂取のためにおすすめしたい食べ物です。

カルシウムは、主に骨や歯を強く健康に保つのに役立ちます。

カルシウムが不足すると骨がもろくなったり、痛みを引き起こしたり、動きにくくなったりするだけでなく、筋肉の痛み、けいれん、疲労、高血圧につながることもありますので気をつけましょう。

この中でも、特に気をつけたいのは骨密度の低下を原因とする「骨粗しょう症」です。

「骨粗しょう症」については後述します。

人間の骨も皮膚などと同じように新陳代謝しており、骨の中のカルシウムも毎日少しずつ排出されています。

ですから、不足しないように適量を補い続けなければなりません。

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ビタミンA

チーズは、健康と美容に欠かせないビタミンAも豊富に含んでいます。

ビタミンAは、皮膚や目の粘膜、歯などの健康を維持するのに役立ち、病気に対する抵抗力となる免疫系の維持にも欠かせませんので、体にとって重要です。

ビタミンAが不足すると、皮膚の乾燥や夜盲症、感染症への感受性の増加、骨の成長不良などにつながる可能性があります。

特に、ドライアイやかすみ目などの目の問題の原因となることが多いため、不足しないよう注意する必要があります。

ビタミンB2

チーズに含まれる栄養素で重要なものとして、最後にビタミンB2を挙げておきます。

ビタミンB2は新陳代謝に関わる栄養素で、皮膚や髪の毛などの細胞の再生産に重要な働きをしており、健康と美容に与える影響が顕著です。

先ほど細胞の新陳代謝にタンパク質が必要だと述べましたが、たとえ原料のタンパク質を十分摂取したとしても、代謝を促進するビタミンB2が足りなければ細胞の再生は順調に行われません。

ですから健康と美容の維持のためには、ビタミンB2も不足しないように気を配るべき栄養です。

またビタミンB2は、脂質の代謝を促進する効果もありますので、ダイエット中であれば、運動とともにビタミンB2も欠かさないようにしてください。

チーズに不足している栄養素

先ほどは、チーズに豊富に含まれる栄養素を紹介しました。逆にほとんど、もしくはまったく含まれていないのが、炭水化物、ビタミンC、食物繊維です。

ですから、チーズを食べる際には、これら不足する成分を他の食物から摂るようにこころがけましょう。

代表的なチーズの炭水化物等の栄養素(100g中)

種類名称炭水化物
(g)
ビタミンC
(mg)
食物繊維

(g)

ナチュラルチーズカッテージ1.90(0)
マスカルポーネ4.30(0)
パルミジャーノ1.90(0)
ブルーチーズ1.00(0)
カマンベール0.90(0)
シェーブル2.7(0)
プロセスチーズ1.30(0)

※「(0)」は推定値を表します、「-」は未測定を表します

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

炭水化物

チーズはほとんど炭水化物を含まない食品です。

ですから、ダイエット中などに糖質制限をしながらも不足しがちな栄養は摂取できるので、重宝するでしょう。

後述しますが、チーズは血糖値の急激な上昇も抑制できます。血糖値の上昇が抑えられれば、体内の糖を中性脂肪に変えるインスリンの分泌も増えず、脂肪の蓄積もされにくくなります。

ただし、普通に炭水化物を摂りたい方や摂取を抑える必要がない方にとって、チーズだけでは栄養の不足につながります。

他の食品から、炭水化物を摂るように気をつけてください。

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ビタミンC

ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない成分ですが、チーズはビタミンCをまったく含んでいません

ビタミンCは、コラーゲンの生成に必要な栄養なので、不足すると血管がもろくなるなどの症状が表れます。他にも、貧血の原因になったり筋肉減少につながったりもします。

加えて、ストレスや病気などへの抵抗力を強くしたり、老化を防止したりもしますので、不足しないように気をつけてください。

しかし、ビタミンCは人の体内で合成することができないので、食物から取らなければなりません。

ですから、ビタミンC不足にならないためには、チーズを食べるときはビタミンCを多く含む食品も一緒に食べましょう。フルーツなどで補うようにしてください。

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食物繊維

食物繊維は多くの日本人に不足しているといわれていますが、この食物繊維もまた、残念ながらチーズにはまったく含まれていない栄養素です。

食物繊維は腸内に生息する善玉菌のエサとなるため整腸効果を発揮し、血糖値上昇の抑制や血液中のコレステロールの低下など、様々な生理機能にも貢献しています。

加えて最近の研究によると、腸内環境が精神状態や頭の働きにも影響していることがわかり、食物繊維の重要性がさらに増しています。

このように、機能性に対する注目が集まっている食物繊維はチーズを食べても摂取できないので、チーズを食べるときは他の食品から摂るように気をつけてください。

野菜などの食物繊維を豊富に含む食べ物も一緒に食べて、食物繊維が不足しないよう心がけてください。

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チーズの適量

チーズが盛り付けられたカッティングボード

チーズを多く食べて心配されるのが

・脂質

・塩分

・カロリー

の摂り過ぎです。

これらをすべて考慮すると、適量はプロセスチーズで60g程度となります。ただし、各成分の上限は1日に摂取する食事すべてで判断すべきものです。他の食品との調整がしやすいよう、各成分の1日の上限値を個別に見ておきます。

代表的なチーズの脂質等の栄養素(100g中)

種類名称脂質
(g)
食塩相当量

(g)

カロリー

(kcal)

ナチュラルチーズカッテージ4.51.099
マスカルポーネ28.20.1273
パルミジャーノ30.83.8445
ブルーチーズ29.03.8326
カマンベール24.72.0291
シェーブル21.71.2280
プロセスチーズ26.02.8313

※「(0)」は推定値を表します

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

脂質

チーズの脂質の中でも、特に気を付けたいのが「飽和脂肪酸」です。

厚生労働省が定める飽和脂肪酸の摂取基準は、1日の総摂取エネルギーの7%とされています。女性なら、プロセスチーズ100g程度です。他の食品からも摂取することを考えると、比較的超えやすい基準だと思いますので気を付けましょう。

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塩分

塩分も脂質と並んで、普段の食生活で注意している人が多い成分でしょう。

厚生労働省は、18歳以上の男性で8g未満、女性で7g未満を推奨していますが、高血圧予防のためには6g未満が理想的だとしています。これは、プロセスチーズで220g程度です。

これを見ると、多く食べても平気そうな気がしますが、塩分はあらゆる食物に入っています。他の食品や調味料などからの摂取量を考えると決して多くはありません。仮に、食事以外で摂取してよい塩分を2gだとすると、プロセスチーズでは70g程度となります。

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カロリー

一般的な成人が1日に必要とするカロリーは、約2000~3000キロカロリーとされています。

100gあたり313キロカロリーのプロセスチーズでは、630~950g摂取できることとなります。しかし、私たちは1日の食事をチーズだけで済ませることはありません。

間食での摂取カロリーを仮に200キロカロリーとすると、プロセスチーズなら60g強になります。

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チーズを毎日食べて健康に

チーズは栄養価が高く、食べ過ぎさえしなければ害もない食品です。しかも、毎日食べることをおすすめしたいほどの健康効果も見込めます。

では、チーズが健康に与える効果にはどのようなものがあるのでしょうか。

肥満予防

太ったお腹

まず、チーズは脂肪分解力が高いといわれています。チーズに含まれるリパーゼという酵素が乳脂肪を脂肪酸へと分解することで、体に脂肪が溜まりにくくなっているからです。

また先述したように、チーズの脂肪には短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸という成分があるのですが、短鎖脂肪酸は脂肪細胞と結びついて溜まった脂肪を燃やす働きがあり、中鎖脂肪酸は普通の脂肪よりも4~5倍早く分解され体に溜まりにくいとされています。

カルシウムにも、脂肪の蓄積を防ぐ効果と脂肪を燃やす働きが期待できます。たんぱく質は、筋肉量を増やし、基礎代謝を高めるために必要です。さらに、ビタミンB2も脂質の代謝を促すとされていますので、他の成分同様に肥満予防に貢献しています。

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認知症予防

ブルーチーズ効能認知症

認知症の原因とされるものの一つにBDNF(脳由来神経栄養因子)という、脳の神経保護効果などを持つたんぱく質があります。

このBDNFの不足は、学習能力や記憶といった認知機能の低下を引き起こすとされているのですが、ある実験では、軽度の認知障がい者がカマンベールチーズを食べ続けることで、血中のBDNF濃度が高まったそうです。

認知症予防には、カビのチーズを食べるとよいようです。

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糖尿病予防

チーズは血糖値を上げにくい、低GI食品です。GIとは食品中の糖質の吸収度合いを示す指標ですが、55以下で低GIとされます。チーズは、この値が30~33とかなり低い基準です。

食事の際には、炭水化物などの高GI食品の代わりにチーズを摂ることで血糖値の上昇を抑えられ、糖尿病予防にもつながります。

高血圧予防

ブルーチーズ効能

チーズに含まれる「ラクトトリペプチド」は、血管を柔らかくし、血管年齢を若返らせる効果があるとされています。ラクトトリペプチドは、乳酸菌の出すプロテアーゼという分解酵素の働きでたんぱく質が分解され、生成される成分です。

ラクトトリペプチドは、血管を柔らかくするとともに、血管を収縮させて血圧を上昇させる原因となるACEという酵素の働きを抑制し、血圧が上がるのを防ぎます。

また、高血圧の原因にカリウムやカルシウムなどのミネラル不足があるといわれていますが、チーズはカリウムもカルシウムも豊富なので、高血圧予防に効果的です。

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フレイル・サルコペニア予防

近年、高齢者の健康に関して「フレイル」「サルコペニア」が問題となっています。

「フレイル」とは、年齢により身体機能・認知機能が低下した状態。「サルコペニア」は、筋肉量が減少した状態です。これらにより、歩行が不自由になり、転倒や骨折による寝たきりのリスクを高めています。

どちらも低栄養が原因となっていますが、その予防にカルシウムやたんぱく質などを含み、栄養バランスのよい乳製品が有効とされます。実験では、70歳以上の高齢者810名を対象として、毎日1杯の牛乳を飲み続けた結果、フレイル・サルコペニアのどちらにも有効であることがわかりました。これは、乳を原料とするチーズでも同様の結果になるとされています。

骨粗しょう症予防

骨粗しょう症は、恒常的に体内のカルシウムが不足することで、骨中のカルシウムが使われ、骨がもろくなる症状です。

この進行を遅らせるのに有効なのが、チーズなどからカルシウムを摂取することです。チーズはカルシウムを多く含むだけでなく、カゼインホスペプチドというたんぱく質の一種を含みます。このカゼインホスペプチドは、カルシウムの吸収を促進する働きがありますので、チーズを食べることで、他の食品よりも効率的にカルシウムの摂取が可能です。

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チーズを毎日食べる際に気をつけたい成分

チーズを毎日食べることで、健康を向上させることが期待できることはわかりました。しかし、チーズには適量があることも先述しています。それでは、食べ過ぎるとどのような症状が心配されるのでしょうか。代表的なものを成分ごとに紹介します。

塩分

チーズは比較的多くの塩分を含んでいます。塩分の摂り過ぎで心配されるのが、血圧の上昇です。血圧が高い状態が続くと高血圧症につながり、いずれ脳梗塞や心筋梗塞の原因となる可能性もあります。

また、塩分を多く摂るとナトリウムを排出するために、腎臓への負担も大きくなります。

一方で、チーズに含まれるカルシウムやペプチドに血圧上昇を抑制する効果があったり、同じくカリウムには塩分排出の働きがあったりします。しかし、適量を超えると塩分の過剰摂取の可能性が出てきますので、やはり食べる量は控えたほうがよいでしょう。

ただし、塩分量はチーズの種類により相当異なります。フレッシュタイプは低いものが多いので、塩分が気になるときは、フレッシュタイプを選んでください。

たんぱく質

たんぱく質は体内で窒素に分解されますが、それを体外に排出するために肝臓・腎臓が働くため、過剰に摂取すると肝臓・腎臓への負担が大きくなります。

また、たんぱく質は腸内の悪玉菌のエサとなり、悪玉菌を増加させて腸内環境を悪化させる原因ともなります。そのため、便秘や下痢になったり、免疫力の低下などで体調を崩しやすくなったりもしますので、気を付けましょう。

この腸内環境の悪化は、悪玉菌が発するアンモニアや硫化水素を増加させ、体臭を強くするともいわれていますので、善玉菌のエサとなる食物繊維などもチーズと一緒に食べましょう。

脂質

チーズの脂質には、飽和脂肪酸が多く含まれるため、食べ過ぎると血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化や心筋梗塞、高脂血症につながる可能性があるとされています。ただし、飽和脂肪酸はチーズのみに含まれるわけではなく、肉類などにも多く含まれているため、他の食品と合わせて総量をコントロールするとよいでしょう。

また、脂肪分の摂り過ぎは下痢の原因ともなりますし、たんぱく質同様、体臭につながるともされています。摂取した脂肪は皮脂として分泌され、それが酸化することで臭いとなりますので、気になるときは乳脂肪分の低いフレッシュタイプのチーズを選びましょう。

カロリー

チーズは低糖質で脂肪を蓄積させにくいなどの特徴がある反面、量に対するカロリーは比較的高い食品です。

ただし、塩分などと同じようにチーズの種類によって、量に対するカロリーには差があります。

量を食べたいときは、カッテージチーズなどの低カロリーのチーズを食べるとよいでしょう。

乳糖

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人がいますが、その原因となっているのが「乳糖」です。それで、乳を原料とするチーズも乳糖を多く含むと思われがちですが、ほとんどのチーズは乳糖を多く含む「ホエイ」を除いて作りますので、基本的にはチーズでお腹がゴロゴロすることはありません。

しかし、わずかな乳糖にも反応してしまう人は、食べ過ぎに注意したほうがよいでしょう。また、「リコッタ」などのホエイから作られるチーズもありますので、牛乳でお腹がゴロゴロしやすい人は、チーズの種類にも気を付けてください。

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チラミン

チーズに含まれる「チラミン」という成分には血管収縮作用があり、片頭痛や血圧上昇、吐き気などの原因となることがあります。とはいえ、基本的には体内の酵素で代謝されるため、ほとんどの人が症状を感じることはありません。

ただし、個人差もあり、体調にも左右されるので、食べ過ぎには注意してください。

まとめ

今回は、チーズを毎日食べるとどうなるのか? というテーマでお話をしてまいりました。

栄養価が高いために、あまり食べてはいけないというイメージを持つ人も多いようですが、毎日食べても基本的に害はなく、むしろ多くの健康効果をもたらすことがおわかりいただけたでしょう。

とはいえ、食べ過ぎればやはり良くない面もあるようです。必要以上に神経質になるほどではありませんが、毎日食べるのであれば適量を守るようにしてください。

おいしくて、栄養豊富で、健康にもよい食品、それがチーズです。豊かな生活を彩る食材として、これからも上手に付き合っていきましょう。

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