近年、効能についてのさまざまな研究結果が発表されているブルーチーズには、現在、下記の3つの効果があることが明らかになっています。
効能 | 有効成分 |
血管が若返る | ラクトトリペプチド |
アンチエイジング | パルチミン酸 |
認知症を予防 | βラクトリン |
今回は、多くの研究データからブルーチーズの効能を詳しく解説します。
さらに、健康効果を考えた時に選ぶべきブルーチーズの種類や効果的な摂取方法についても紹介します。
これを読めば、ブルーチーズの効能と、体に健康効果をもたらす仕組みについて理解し、毎日の食事にブルーチーズを取り入れる具体的な方法を学ぶことができます。
ぜひ、最後までごらんください!
ブルーチーズを食べるだけ!期待できる3つの効能
食べるだけで大きな健康効果を発揮する驚きのスーパーフードとして、近年、ブルーチーズが大きな注目を集めています。
さまざまな研究から明らかになったブルーチーズの効能の中から、次の3つをご紹介します。
・血管を若返らせ、高めの血圧を下げる
・高い抗酸化作用でアンチエイジング、シミ・シワを防ぐ
・脳内の老廃物を除去して認知症を予防する
それでは、それぞれ詳しく解説していきます!
血管が若返る!高めの血圧を下げる効果も
ブルーチーズには、血管を柔らかくし、血圧を下げる効果があります。
それは、ブルーチーズに含まれる「ラクトトリペプチド」のはたらきによるものです。
カルピス株式会社発酵応用研究所で行われた、ラクトトリペプチドを8週間摂取する実験の結果、ラクトトリペプチドを摂取しなかったグループと比べると、ラクトトリペプチドを摂取したグループの血管年齢が下がったことが確認されています。
さらに、高血圧の方にラクトトリペプチドを12週間摂取してもらい、高い血圧が下がることも明らかになっています。
そのため、このような効能を持つラクトトリペプチド多く含むブルーチーズには、血管を若返らせ、血圧を下げる作用があるのです。
血管を柔軟にする「ラクトトリペプチド」のはたらき カルピス株式会社発酵応用研究所では1960年代から、理化学研究所と共に、カルピスの持つ健康効果についてのさまざまな研究を行っており、その研究の中で、アミノ酸が結合した成分「ラクトトリペプチド」を発見しました。研究の結果、ラクトトリペプチドが血管の柔軟性をアップし、血管を柔らかく若返らせることがわかりました。また、高めの血圧を下げる作用があることも明らかになっています。出典:カルピス株式会社「ラクトトリペプチド」の血管柔軟性への有効性 |
高い抗酸化作用でアンチエイジング、シミ・シワを防ぐ
ブルーチーズには、老化や病気を防ぐアンチエイジングの効果があります。
それは、ブルーチーズには、活性酸素の働きを抑える抗酸化力を持つ成分が含まれているからです。活性酸素は、体内の細胞を酸化させ、老化現象を引き起こす原因となる成分です。
複数のチーズを比較した東海大学農学部の研究により、抗酸化力をを持つパルミチン酸が、他の種類のチーズよりもブルーチーズに多く含まれていることが明らかになりました。
つまり、抗酸化力を持つ成分を多く含むブルーチーズを食べることで、老化を抑え、老化によって発生する病気を予防することができるのです。
「ビタミンA」を安定させる「パルミチン酸」のはたらき 青カビに含まれるリパーゼは、チーズの脂肪を分解して脂肪酸を作り出します。その脂肪酸のひとつが、パルミチン酸です。 パルミチン酸には高い抗酸化作用があり、摂取することで老化を防ぎ、病気を予防することができます。 また、パルチミン酸には、ビタミンAという成分を安定させる作用があります。 肌の健康に欠かせないビタミンAが安定することで、乾燥・シミ・シワ・ニキビといった肌のトラブルを起こりにくくし、美肌効果をもたらしてくれます。出典:「乳発酵食品チーズの機能性一抗酸化活性一」東海大学農学 |
脳内の老廃物を除去して認知症を予防する
ブルーチーズには、認知症を予防する効能があります。
それは、チーズに入っている白カビや青カビに、脳内の老廃物を除去するはたらきを活性化させる成分が含まれているからです。
キリンホールディングス株式会社では、発酵させた乳製品を食べている人は認知症になりにくいのではないかという説を元に、10種類以上のチーズについての研究を行いました。
その結果、白カビや青カビを使ったチーズを摂取することで、脳内の老廃物を除去するはたらきが活性化することが明らかになったのです。
そのため、ブルーチーズなどのカビを使ったチーズを食べることで、認知症予防の効果を期待することができるのです。
脳内の老廃物を除去する「ミクログリア」を活性化 カビを使ったチーズが脳の認知機能を向上する秘密は、「βラクトリン」という成分にあります。 認知症の原因となるのは、脳内に蓄積される老廃物。通常は、ミクログリアという細胞が老廃物を除去しているのですが、除去しきれないほど老廃物が溜まってしまうことで、認知機能の低下が進んでしまうのです。 そこで、白カビや青カビを使ったチーズを摂取すると、カビのチーズに含まれる「βラクトリン」が、ミクログリアを活性化します。そうすることで老廃物が減少し、認知機能が向上するというわけです。出典:キリンホールディングス株式会社 研究・技術開発レポート |
健康への効能を最大限にするブルーチーズの選び方
血管を若返らせ、高血圧、高コレステロール、アンチエイジングにも効果をもたらすブルーチーズ、ぜひ積極的に摂取していきたいところです。
しかし、ブルーチーズにはとてもたくさんの種類があるので、いざ選ぼうとしても迷ってしまうかもしれません。そこでこの章では、健康への効能を最大限にするための、ブルーチーズの選び方をご紹介します!
青カビの成分がより多く含まれるブルーチーズを選ぶ
ブルーチーズが持つ効能をより多く期待するなら、青カビの成分ができるだけ多い種類を選ぶ方法がおすすめです。また、ブルーチーズの種類の中には、独自の効能を持つタイプのものもあるので、詳しく解説します。
青カビの成分が多いブルーチーズ
ブルーチーズには青カビが含まれていますが、青カビの量は種類によって異なります。青カビの成分が多く含まれる、独特の風味や刺激の強いブルーチーズには次のようなものがあります。
<青カビの風味が強めのブルーチーズ> ・カブラレス ・ロックフォール ・ミセラ ・ダナブルー ・スティルトン ・ゴルゴンゾーラ(ピッカンテ) |
ロックフォールだけが持つ特別な効能
ブルーチーズにはたくさんの種類がありますが、中でも、特に健康効果が高いといわれるブルーチーズがあります。それは、ロックフォールです。
ロックフォールは特別な洞窟の中で熟成してつくられるのですが、洞窟の青カビが他の菌類と結びついて発生した二次代謝物が、心血管疾患を予防するはたらきがあるのではないかと考えられています。
ブルーチーズに特別な健康効果を求めるなら、ロックフォールを選んでみてはいかがでしょうか。
毎日続けられる!食べやすいブルーチーズを選ぶ
ブルーチーズを1回食べればそれだけで健康になれるというわけでは、もちろんはありません。効能を十分に得るためには、コンスタントに食べ続けていくことが重要です。
ブルーチーズの独特の風味が苦手な場合は、できるだけマイルドで食べやすい種類のブルーチーズを選ぶことで、無理せず続けることができます。
比較的マイルドなブルーチーズ
ブルーチーズの独特の風味や刺激を苦手と感じるのは、実は、日本人だけではありません。
ナチュラルチーズの本場であるヨーロッパでも、クセの強いブルーチーズよりも、よりあっさりした味わいのブルーチーズが好まれる傾向があるようで、近年、より食べやすくするために工夫されたブルーチーズが人気を集めています。
<マイルドで食べやすいブルーチーズ> ・フルム・ダンベール ・ブルー・ド・ジェックス ・モンブリアック ・ブルー・ド・サスナージュ |
青カビ白カビ混合タイプのブルーチーズ
「青カビチーズ」よりも、もう少し食べやすい「白カビチーズ」を組み合わせた、青カビと白カビ混合タイプのブルーチーズが人気です。
混合タイプは、クセが少なく、マイルドな味わいが特徴なので、ブルーチーズを初めて食べるという方にもおすすめです。
<混合タイプのブルーチーズ> ・カンボゾーラ ・ババリアブルー ・ブルー・ド・ブレス(ブレス・ブルーとも呼ばれる) |
この他、ブルーチーズの種類について気になる方は、下記の記事もご覧ください!
健康への効果を最大にするブルーチーズの食べ方
せっかくブルーチーズを食べるなら、摂取方法にもこだわって、健康への効能を最大限に活かせるようにしたいですよね。
日々の食事に、どのようにしてブルーチーズを取り入れていけばよいのでしょうか?
ブルーチーズの1日の摂取量の目安は30g
ブルーチーズは体に良い成分をたくさん含んでいますが、だからといって、たくさん食べればよいというものではありません。ブルーチーズは、塩分とカロリーが比較的高めなので、一度にたくさん食べ過ぎないようにすることが大事です。
ブルーチーズの1日の摂取量の目安は、およそ30gです。
ブルーチーズの塩分は一般的なプロセスチーズよりも多めなので、塩分を控えている方は、30gよりも少し控え目の量を摂取することをおすすめします。
<チーズの成分比較(100gあたり)>
カロリー | 塩分量 | コレステロール | 脂肪分 | |
ブルーチーズ(青カビ) | 349kcal | 3.8g | 90mg | 29g |
カマンベール(白カビ) | 310kcal | 2.0g | 87mg | 24.7g |
プロセスチーズ | 339kcal | 2.8g | 78mg | 26g |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ブルーチーズのより効果的な摂取方法
ブルーチーズのさまざまな効能をより多く得るためには、どのような方法で摂取すべきなのでしょうか?いくつかのポイントをご紹介します。
ブルーチーズを食べるべき時間帯は?
ブルーチーズの効能をより効果的にするためにはどの時間帯に食べるべきか、ということについては、残念ながらまだよくわかっていません。
しかし、栄養豊富なチーズは食事と一緒に、あるいはおやつや捕食として摂るのに、とてもおすすめの食品です。
チーズを朝食に取り入れれば、代謝がよくなり脂肪を分解しやすくなるといわれています。また、夜に食べると、チーズのたんぱく質やカルシウムをより効果的に吸収することができるとされています。
ぜひ自分のペースに合わせたタイミングで、毎日の生活の中にブルーチーズを取り入れてみてください。
ブルーチーズはいつ食べても健康効果がありますが、夜遅い時間になる場合は、少なくとも寝る3時間前までに食べるようにしましょう
ブルーチーズにない栄養分を持つ食品と一緒に食べる
ブルーチーズを単独で食べるよりも、ほかの食品と一緒に食べることで、健康への効能をより高めることができます。
ブルーチーズはカルシウムやたんぱく質などの栄養素を豊富に含んでいますが、ビタミンCや食物繊維は含まれていません。サラダなどの野菜や、果物と一緒にブルーチーズを食べることで、栄養のバランスがぐっと良くなります。
最も期待できるのは赤ワインとの相乗効果
ブルーチーズはいろいろな飲み物と一緒に楽しむことができますが、それぞれの健康への効能を高めるには、赤ワインが最も効果的だといわれています。
高い抗酸化作用でアンチエイジングの効果を持つ赤ワインと、栄養豊富でさまざまな効能を持つブルーチーズは、それぞれ単独でも大きな効能を得ることができますが、一緒に摂取することで相乗効果を期待することができるようです。
こちらの記事で赤ワインの効能について詳しく書かれているので合わせてお読みください。
https://wine-x-kobe.com/red-wine-has-the-effect-of-lowering-blood-pressure/
苦手な方のためのブルーチーズの摂取方法
健康に大きな効能をもたらすブルーチーズですが、苦手!と感じている方は結構多いのではないでしょうか。
比較的食べやすいブルーチーズもありますが、独特の風味や刺激が苦手で、どうしても食べられない!という方も多いようです。
ブルーチーズ単独で食べるのではなく、他の食品と一緒に摂取することで、独特の強い刺激を和らげることができます。また、ブルーチーズを調理に使う方法もおすすめです。
他の食品と一緒に食べて刺激を和らげる
ブルーチーズの刺激を和らげる最も簡単な食べ方は、フルーツやナッツ、クラッカーなどと一緒に食べる方法です。ハチミツをかけたり、同じ乳製品であるバターやクリームチーズ、生クリーム、ヨーグルトと合わせて食べる方法もおすすめです。
また、サラダに入れて、野菜やドレッシングと混ぜて食べることで、苦みや刺激を和らげることができます。
特におすすめは、ハチミツをかけて食べる方法です。
ブルーチーズを調理に使う方法
塩分の多いブルーチーズは、海外では、調味料として使われることも多いようです。
パスタや肉料理のソースとして使ったり、チーズフォンデュやグラタン、ピザのチーズに混ぜて、あるいは、ポテトサラダに混ぜてみるのもいいですね。
また、チーズケーキやスイーツの材料として使う方法もおすすめです。
ブルーチーズはそのままでも、加熱してもおいしく食べられるので、お好みのいろいろな料理に合わせて食べてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ブルーチーズが持つ、健康効能についての情報をご紹介しました。
チーズはそもそも健康効果の高い栄養食品ですが、青カビを使ったブルーチーズには、さらに特別な効能があります。
・血管を若返らせ、高めの血圧を下げる ・アンチエイジングの効果 ・認知症を予防する |
研究機関の調査により、これらのブルーチーズの健康への効能が確認されたことで、近年、ブルーチーズへに大きな注目が集まっています。
また、ブルーチーズをより上手に摂取するために、次の2つのポイントについてもご紹介しました。
・効果の高いブルーチーズの選び方 ・効果を高めるための、ブルーチーズの食べ方 |
この記事を通してブルーチーズの健康への効能を理解し、より効果的にブルーチーズを摂取できるようになれることを祈っています。
健康で生き生きした毎日を過ごすために、ぜひ、日々の食事にブルーチーズを取り入れてみてはいかがでしょうか?