生のフルーツとチーズの組み合わせが良いことはご存知でしょう。
少し前に流行った『桃とモッツァレラ』なんて、本当に最高でしたよね。
もちろんそれ以前からも、生のフルーツとチーズを一緒に食べるのは、おいしいだけでなく栄養的にも理にかなっているというので広く受け入れられてきました。
でもこれ、生だけではなく、ドライフルーツとチーズの組み合わせもピッタリなんです。
本記事では、ドライフルーツとチーズの組み合わせについて説明してまいります。また、この組み合わせと相性がいいワインについてもご提案しますので、「ワインのお供は何にしようかな?」という時の参考にしてみてください。
ドライフルーツとチーズは相性バツグン
お店で注文した「チーズの盛り合わせ」にドライフルーツが添えてあったり、ドライフルーツを練り込んだクリームチーズが売られていたりと、昔からドライフルーツとチーズは定番の組み合わせでした。
そもそも、フルーツ自体が乳製品との相性が良いとされています。というのも、乳脂肪がフルーツの酸味と甘味と合わさることで味のバランスが良くなるだけでなく、乳製品に不足するビタミンや食物繊維をフルーツが補うからです。
ですから、ドライフルーツだってチーズと一緒に食べてとてもおいしいのです。
では、どのような組み合わせでもいいのかというと少し難しくなります。基本的には合わないことはないのですが、ドライフルーツは種類によって甘みや酸味やフレーバーが違い、チーズもまた種類によってフレッシュ感や塩分、脂肪分、旨味などが違います。ですから、組み合わせによる相性は少なからずあるのです。
では、それぞれにどのような種類があるのかを見ていきましょう。
一般的なドライフルーツの種類
ドライフルーツは「乾燥させたフルーツ」のことですが、フルーツ自体の種類がとても多いためドライフルーツもそれだけ多く存在しています。
ただし、普段私たちが比較的容易に入手できるものとなるとある程度限られ、代表的なものはこのあたりではないでしょうか。
・りんご
・桃
・バナナ
・パイン
・あんず
・マンゴー
・柿
・いちご
・クランベリー
・いちじく
・ブルーベリー
・プルーン
・レーズン
など
これらとチーズとの相性を考える時に重要になるのが元のフルーツの個性であり、甘味や酸味、香りなどです。
製法や原料となる個々のフルーツの状態により製品の状態は変わってきますが、ほとんど元のフルーツの個性がそのままチーズとの相性に関わると思っていただいてよいでしょう。
上に挙げたフルーツは、おおよそ下に行くほど風味が強いものとなっています。
チーズの種類
チーズもまた世界中の多くの土地で作られており、その種類は数え切れないほどです。大きくはナチュラルチーズとプロセスチーズに分かれていますが、今回はナチュラルチーズのみを取り上げさせていただきます。タイプ的には以下の7種類に分類されますので簡単に説明します。
後に紹介するものほどクセは強くなっていきますが、クセが強いチーズほど酸味や甘味、香りが強いドライフルーツに合います。ドライフルーツの風味は、結構色に比例するところがありますので、クセの強いチーズには黒みの強いドライフルーツを合わせるのがおすすめです。
フレッシュタイプ
熟成をさせないクセの少ないチーズです。ミルクのニュアンスが多く残っており、サッパリしています。
シェーブルタイプ
山羊乳から作られる独特なクセをもったチーズです。フレッシュなものから熟成させたものまで様々な味わいがあります。
セミハードタイプ
水分がすくないやや硬めのチーズです。クセが少なく食べやすいものが多いです。
ハードタイプ
セミハードタイプよりさらに硬いタイプのチーズです。長期熟成させたものはかなり旨味が凝縮されています。
白カビタイプ
表面に白カビを繁殖させ熟成させたチーズです。比較的クセは少なく、トロリとした食感が特徴です。
ウォッシュタイプ
表面を酒や塩水で洗いながら熟成させていくクセが強めのチーズです。ただし、中身はとてもクリーミーでリッチな味わいをしています。
青カビタイプ
青カビを繁殖させることで独特な香りがあり、塩分も強めのチーズです。最もクセが強いタイプですが、その特徴ある味わいにハマり病みつきになる人も多いです。
おすすめの組み合わせ
それでは、具体的にドライフルーツとチーズとワインをどのように組み合わせるとおいしいのでしょうか。
チーズを基準として、表にまとめると以下のとおりとなります。
チーズタイプ | チーズの代表例 | 相性の良いドライフルーツ | 相性の良いワイン |
フレッシュタイプ | クリームチーズ、モッツァレラ、マスカルポーネ、カッテージチーズ、フェタなど | すべてに合わせやすいが、特にマンゴーやあんず、パインなど明るい色のもの | 白ワイン全般、ロゼワイン、軽めでフルーティーな赤ワイン、スパークリングワイン |
シェーブルタイプ | ヴァランセ、サント・モール・ド・トゥーレーヌ、セル・シュール・シェールなど | 幅広く合わせやすいが、その中でも酸味が比較的はっきりしているパインやクランベリー、ブルーベリーなど | 酸味のはっきりした白ワイン、酸味がちなシャープな赤ワイン、スパークリングワイン |
セミハードタイプ | ゴーダ、サムソー、カンタル、サン・ネクテール、テット・ド・モワンヌなど | 酸味・甘味がほどほどで穏やかな味わいのりんご、桃、マンゴーなど | 白ワイン全般、ロゼワイン、ライト~ミディアムボディの赤ワイン |
ハードタイプ | ミモレット、パルミジャーノ・レジャーノ、エメンタール、グラナ・パダーノ、コンテ、チェダーなど | 酸味・甘味のしっかりした濃い味わいのいちじくやあんず、レーズンなど | しっかり目の白ワイン、赤ワイン全般(チーズの熟成期間が長いほどワインもしっかりしたものが◎) |
白カビタイプ | カマンベール、ブリー、シャウルス、バラカ、ヌーシャテルなど | バランスがとれていて優しい味わいの桃やりんご、バナナなど | 白ワイン全般(どちらかというとしっかりめ)、ライト~ミディアムボディの赤ワイン、スパークリングワイン |
ウォッシュタイプ | タレッジョ、エポワス、ピエ・ダングロワ、マンステール、モン・ドールなど | 濃厚な味ではあるが甘酸味のはっきりしたあんずやプルーン、柿など | しっかりコクのある白ワイン、ミディアム~フルボディの赤ワイン |
青カビタイプ | ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトン、フルム・ダンベール、ババリアブルーなど | 酸味もあるが特に甘味がしっかりしているいちじく、ブルーベリー、レーズンなど | 極甘口白ワイン、フルボディの赤ワイン |
まとめ
どのような組み合わせであれドライフルーツとチーズの相性は良いのですが、それぞれの個性を考えることでよりおいしさが増します。そこにワインを合わせることで、さらにその奥行きが広がります。
今回は代表例をご紹介しましたが、これら以外でも絶妙なコンビネーションを見せる組み合わせはまだまだあるはずです。
まずはいろいろ試してみて、ドライフルーツとチーズ、ワインのカップリングを楽しんでいただき、深い世界にハマっていただけるとうれしいです。そこで、最高の組み合わせを見つけたら、ぜひ私たちにも教えてくださいね。