フルーツとチーズは、香りや味わい、栄養の面で相性が非常に良い食べ物です。チーズとフルーツの組み合わせといっても、それぞれに沢山の種類があります。
どのチーズとフルーツを組み合わせても、美味しく食べられるわけではありません。フルーツ特有の酸味と甘味、チーズのコクと塩味、舌触りなどを考えて合わせることをおすすめします。
また、チーズとフルーツ合わせて食べるならワインも一緒に飲みたいですよね。しかし、チーズやフルーツ単体なら合うワインも分かりますが、2つを組み合わせたものに何を合わせればよいか分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、チーズと果物を組み合わせと相性の良いワインについて紹介を致します。色々な食べ方を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
組み合わせる前に覚えておきたいチーズとフルーツの特徴
チーズとフルーツを合わせる場合は、それぞれの特徴に注目する必要があります。フルーツに合わせやすいチーズ、チーズに合わせやすいフルーツについてまとめています。
フルーツに合わせやすいチーズの特徴
チーズにはフレッシュタイプやウォッシュタイプ、白カビや青カビタイプなど様々です。チーズにフルーツをマリアージュさせるには、チーズの特徴を知っておくことをおすすめします。
下記ではチーズの種類別に特徴やチーズとの相性を表にまとめています。
タイプ | チーズの種類 | 特徴 | 相性の良いフルーツ |
白カビタイプ | カマンベール、ブリー、ヌーシャテル、バラカなど | チーズ独特のクセは少なくクリーミーでマイルドな口当たり。 | りんご、ぶどう、柿、いちご、ぶどう |
青カビタイプ | ロックフォール、スティルトン、ゴルゴンゾーラ、フルムダンベールなど | 全体的に塩味が強く風味が濃厚。香りが独特なので好みは分かれます。 | 洋ナシ、ぶどう、イチジク、柿、ドライフルーツ、桃 |
フレッシュタイプ | カッテージチーズ、クリームチーズ、モッツァレラ、マスカルポーネ、リコッタなど | 熟成させないためチーズ特有のクセは少なめ。水分を多く含み、ソフトな食感 | フルーツ全般、ジャム |
ウォッシュタイプ | エポワス、ポン・レヴェック・モン・ドール・リヴァロなど | 表面は独特の強い風味があるが中身はマイルド。まろやかで舌触りの良い食感 | りんご、洋ナシ、ぶどう、ドライフルーツ |
シェーブルタイプ | サントモール、シャビシュー、クロタン、セルシュール・シェル | 爽やかな酸味が特徴。熟成が進むと濃厚なコクが出る。 | りんご、柑橘系、ぶどう、チェリー、ジャム |
セミハードタイプ | ゴーダ、サムソー、ラクレット、カンタルなど | コクと香りが深く、マイルドで食べやすい。チーズ初心者に最適 | りんご、ぶどう、柑橘系 |
ハードタイプ | パルミジャーノレッジャーノ、コンテ、ペコリーノ、ミモレットなど | 非常に硬く食べ応えがある。濃厚な風味と複雑でコクのある旨味が特徴 | りんご、ぶどう、柑橘系 |
ワインと合うフルーツ×チーズの組み合わせ
ここでは、ワインと相性が良いフルーツ×チーズの組み合わせについて紹介をします。
ゴルゴンゾーラ×桃
桃とチーズを合わせるならゴルゴンゾーラは、大変おすすめです。芳醇な香りと甘い果肉、かじると溢れ出るジューシーな果汁が特徴的な桃。
桃が一番好きな果物という方も多いのではないでしょうか。そんな桃にピッタリ合うチーズは、「ゴルゴンゾーラ」です。
ゴルゴンゾーラは、世界三大ブルーチーズの一つです。日本で人気のブルーチーズといえば、ゴルゴンゾーラといっても過言ではありません。
ブルーチーズの中で青カビの量が少なく、塩味も控え目、まろやかでクリーミーな食感とブルーチーズならではのピリッとした刺激も楽しめます。
ゴルゴンゾーラには甘口タイプのドルチェと、辛口タイプのピカンテの2種類があります。一般的なゴルゴンゾーラはドルチェが多く流通しています。
桃の優しい甘さと甘酸っぱさは、ゴルゴンゾーラのまろやかな舌触りと塩味が、素晴らしくマッチしてくれます。トーストに桃・ゴルゴンゾーラ・蜂蜜をのせて食べたり、ピッツァにして食べたりしても非常に美味しいですよ。
ゴルゴンゾーラ×桃と相性の良いワイン
では、ゴルゴンゾーラ×桃に合わせる場合は、ゴルゴンゾーラがドルチェかピカンテのどちらかで変わってきます。
使用するゴルゴンゾーラがピカンテの場合は、赤ワインが良いでしょう。
赤ワインの中でも、グルナッシュやジンファンデル、シラーなど果実味がしっかりとしてなめらかな口当たりのワインがおすすめです。
ドルチェの場合は、赤ワインと白ワインどちらも合わせることができます。
赤ワインの場合は、果実味が強く濃厚なタイプ、白ワインであれば極甘口の貴腐ワインがおすすめです。
ゴルゴンゾーラは蜂蜜との相性が抜群に良いので、貴腐ワインのような甘口タイプと相性がピッタリです。
モッツアレラチーズ×柿
10月に収穫され11月に旬をむかえる柿。しゃきしゃきとした食感と甘くてみずみずしい果肉、豊富な抗酸化ビタミンは美容や健康にも良く、とても美味しい果物です。
柿は、モッツアレラチーズとの相性が非常に良いです。モッツァレラチーズは、チーズ特有のクセがなくモチモチとした弾力と噛むとほのかな甘味と酸味のあるフレッシュチーズです。
この優しい味わいが、甘味の強い柿としっかりマリアージュしてくれます。モッツァレラチーズといえば、トマトとバジルをのせて塩とオリーブオイルをかけて食べるカプレーゼが代表的です。
カプレーゼはトマトと組み合わせるのが一般的ですが、柿のカプレーゼにしても美味しく食べられます。蜂蜜をかけることでデザート感覚の一品にもなり、生ハムを加えることで立派なワインのおつまみに早変わりします。
モッツァレラチーズはそのまま食べても良いのですが、熱を加えるのもおすすめです。柿とモッツァレラチーズは、グラタンにしても美味しく食べられます。
皮を剥いてカットした柿とモッツァレラチーズに塩・コショウ・オリーブオイルをかけてオーブンで焼くだけです。フレッシュな柿でも美味しく食べられますが、モッツァレラチーズは干し柿と一緒に食べても美味しいので試してくださいね。
モッツァレラチーズ×柿と相性の良いワイン
モッツァレラチーズは、フルーティなスパークリングワインや白ワイン、ロゼワインと相性が非常に良いです。さらに柿と合わせるとなると、ほどよい甘さと爽やかな口当たりの甘口ワインがおすすめです。
例えばモスカート・ビアンコで作られたアスティスプマンテ、蜂蜜やドライアプリコットの香りがするソーテルヌの貴腐ワインがよく合います。
また、胡椒をかけた食べ方であればスパイシーですっきりなシラー種を使ったロゼワインがおすすめです。フレッシュながらほのかに黒胡椒などのスパイシーさを合わせもち、さっぱりとしたモッツァレラチーズと実に相性が良いです。
ブリーチーズ×りんご
スーパーや八百屋に行けばいつでも食べられるりんご。そのままかぶりついてもスイーツにしても美味しい人気の果物です。りんごは秋から冬にかけてが旬になっており、さまざまな食べ方や豊富なレシピで世界中で愛されています。
りんごはチーズとの相性が抜群に良い果物です。何といってもおすすめは、ブリーチーズです。ブリーチーズは、フランスを代表する白カビ系のチーズです。
クセが少なく、クリーミーで濃厚な味わいと中心部のとろけるような食感が特徴です。また、熟成するタイプのチーズであるため、熟成が進むにつれて内側はさらにとろけていき、ねっとりとした食感と上品な香りを楽しむことができます。
りんごと合わせる場合は、クラッカーにりんごとブリーチーズをのせて蜂蜜やメープルシロップをかけて食べたり、スライスしたりんごとブリーチーズ、くるみやルッコラを好みのパンに挟んでも大変美味しく食べられます。
ブリーチーズ×りんごと相性の良いワイン
ブリーチーズには、赤・白・スパークリングなどワイン全般で合わせることができます。赤ワインであれば、果実味が強く香りが華やかなピノノワール。白ワインなら濃密な甘口としっかりとした酸味が特徴的なリースリング。
スパークリングワインならスッキリとしてエレガントな酸味と香り、ふくよかな果実味が特徴のシャルドネがおすすめです。
リンゴと合わせるのであれば、フルーティーな飲み口のボージョレ・ヌーヴォーやライトボディのワインと合わせやすいでしょう。
カッテージチーズ×いちご
いちごは、甘み・酸味・香りのバランスが非常に良く、そのまま食べても抜群に美味しいですがスイーツやジャムなど多様に使われています。また栄養価も高く、ビタミンC、葉酸、食物繊維、ミネラルなどが豊富に含まれています。
旬は11月~6月までと長く一年を通して味わうことができるのも特徴の一つです、多くの人に愛されているいちごですが、チーズと合わせても当然美味しく食べることが可能です。
単独で食べても美味しいいちごですが、チーズと合わせることで違った一面を知ることができます。合わせるチーズはカッテージチーズがおすすめです。
カッテージチーズは、柔らかい食感とクセのなさが特徴的で自宅でも簡単に作れてしまう人気のチーズです。淡白でほのかな酸味が特徴で脂肪分と塩分が少ないので、さっぱりと食べられます。
例えば、いちごとカッテージチーズを混ぜ合わせ蜂蜜をかけたりクラッカーにカッテージチーズといちご、ナッツをのせてジャムなどをかけて食べると複雑な味わいを楽しむことができます。
カッテージチーズ×いちごと相性の良いワイン
カッテージチーズに合うワインは、スパークリングワインや白ワインがおすすめです。スパークリングワインであれば辛口タイプのもの、白ワインであればソーヴィニヨンブランやピノグリージョのような爽やかな酸味があるものがおすすめです。
また、いちごと合わせるのであれば辛口タイプのスパークリングよりも少し甘みを感じる残党が多いタイプがおすすめです。例えば、いちごのようなフレーバーを持っているロゼタイプのスパークリングと相性が良いです。
クリームチーズ×いちじく
上品な甘味をもっているいちじくは、生で食べても料理に使っても美味しく食べることができます。9月に旬の最盛期を迎え、完熟するとバナナのようなねっとりした食感と、いちごのような種の食感が特徴の美味しい果物です。
いちじくが美味しく食べられる時期を、毎年楽しみに待ち望んでいる方も多いのではないでしょうか。いちじくを美味しく楽しむのであれば、クリームチーズと合わせてみましょう。
いちじくの甘味とクリームチーズの爽やかさが組み合わさり、しっとりと深い味わいを楽しめますよ。例えば、いちじくとクリームチーズ、砕いたくるみを混ぜ合わせ、焼いたトーストにたっぷりとのせて食べます。
また、干しいちじくを使うならラム酒をサッとふりかけ電子レンジに加熱。粗熱をとりクリームチーズと混ぜて、ディップにして食べても非常に美味しいですよ。
クリームチーズ×いちじくと相性の良いワイン
クリームチーズに合うワインは、爽やかなスパークリングワインや辛口の白ワインがおすすめです。しかし、いちじくとの相性を考えると甘味を感じて軽やかに飲めるワインが合わせやすいです。
いちじくとクリームチーズの組み合わせであれば、スパークリングワインはイタリアのランブルスコロッソ、白ワインはモスカートなどの甘い香りを楽しめるタイプとの相性が良いでしょう。
もし、赤ワインと合わせたいという場合は、凝縮した果実の旨味を楽しめるアリアニコ種がおすすめです。また、日本で作られたぶどう種であるマスカットベーリーAは、いちじくの甘い香りとしっかりマリアージュしてくれます。
まとめ
果物とチーズの組み合わせと、相性の良いワインについて紹介を致しました。ここで紹介をした組み合わせ以外にもさまざまな食べ方があるので、ご自身が気に入った組み合わせを探すのも良いでしょう。
この記事で紹介した内容を参考に、果物・チーズ・ワインの組み合わせを楽しんでくださいね!