ブルーチーズの王様、ロックフォールとは?

bluecheese-Roquefort

ロックフォールは日本でも『世界三大ブルーチーズ』の一つとして知名度が高く、【ブルーチーズの王様】として世界各国で高級なチーズとして売られています。

古くから多くの人々に愛され守り継がれてきたフランス最古のブルーチーズ 、ロックフォール。

生産国

フランス

チーズタイプ青カビ
原材乳
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目次

ロックフォールの起源は謎?

洞窟

ロックフォールの起源は実は謎に包まれていますが、こんな伝説が残っています。

フランス南西部、ルエルグ地方のコンバルー山で羊飼いをしている若い青年が、通りがかった一目惚れした美しい女性を追いかけて洞窟に入り、羊乳チーズのサンドイッチを置き忘れた。

しばらくして、また洞窟に入った羊飼いはサンドイッチを見つけた。サンドイッチには青カビに覆われていた。好奇心にそそられ臭いをかいでみると悪い臭いではなかったので、恐る恐る食べてみたら中のチーズがとても美味しかった。それがロックフォールチーズの始まりである。

美味しいものにまつわる伝説の中でも、私が好きな伝説の一つです。

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ロックフォール村で作られたものだけが名乗ることが出来るチーズ

地名がチーズになることはよくありますが、ロックフォールも地名由来の名称です。

生産地であるフランス南西部のミディ・ピレネー、アヴェロン県のロックフォール=シュル=スールゾン村という村が名前の由来となっています。

ロックフォールはこの洞窟で採取された青カビを使い、洞窟で熟成されたものだけが名乗ることができます。

村の後ろには石灰質の岩山がそびえたっており、無数の洞窟があります。
その洞窟の内部には伝統的な製法で作られたチーズが私たちに食べられるのを楽しみにしながら熟成されています!

とても小さな村で人口は800人ぐらいだそうですが、このチーズのお陰で訪れる人が絶えず、観光地として村は活気があるそうです。

歴史あるチーズで、古くはシャルルマーニュ(カール大帝のフランスでの呼び名)が賞味し、その後献上を命じたと伝っています。フランスのチーズとしては第1号の原産地呼称統制AOPに1925年に指定されました。

A.O.P.(Appéllation d’Origine Protégée)アー・オー・ペー: 原産地保護呼称

産品の原産地を保証するもので、気候条件、日照、土壌、植生、飼料、先祖伝来の飼育や生産法などの地域特性が産品に反映されるというものです。

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ロックフォールの製法

ロックフォールチーズはブルーチーズでは珍しく非殺菌の羊のミルクから作られます。

ロックフォール村の洞窟にはフルリーヌと呼ばれる、石灰岩の亀裂から来る涼しく湿った風が吹き抜けています。

それにより、洞窟内部は年間を通じ温度平均10℃、湿度は80%以上が保たれており、ブルーチーズの熟成に最適な環境が整っています。

ブルーチーズはチーズに青カビを育成させて、熟成させたチーズです。
殆どのブルーチーズは青カビを内部から育成させており、ロックフォールチーズもこのタイプに分類されます。

青カビの生育には空気が必要なので、生育する隙間が必要です。

  1. チーズを作る時のカードはやや固めに仕上げ、よく揉みほぐして隙間をできやすくして型に入れます。

  2. 隙間を維持したいのでプレスせず、反転を繰り返して水分を抜き、形を整えます。

  3. 青カビの添加のタイミングは生産者により違い、原料乳に直接加えるところと揉みほぐしたカードに加えるところがあり、生産者による味の個性にも繋がってきます。

  4. チーズの赤ちゃん(グリーンチーズ)が出来たら型から取り出し、チーズの塩分が4.5%になるまで毎日少しずつ塩を擦りこみます。

  5. 金串を縦に突き刺し、青カビを育成しやすくするための空気孔をあけて、洞窟で熟成させます。(ブルーチーズを買うと、断面などに青い直線的な筋が見られることがありますよね。それはこの金串による空気孔なんです。)

  6. 3〜9ヶ月間熟成させ、程よいところで金属箔で包み、青カビの育成を止めてさらに熟成させて出来上がり。
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ロックフォールの味と食べ方

ロックフォールは舌触りねっとり、なめらかでバターのようなコクと羊乳の甘みを感じます。

組織はモロモロとしていますがクリーミーな味わい、塩味は強めで青カビのピリッとした独特の芳香が合わさり余韻が長く奥行きを感じる味わいです。

ドライフルーツが入ったハード系のパンや、ライ麦パンにはちみつとナッツを上に乗せていただくもお勧めです。
洋梨やぶどう等、生の果物に合わせたりカヌレ(ボルドー地方の焼き菓子)に合わせるのも美味しいですよ。

常温に戻してから、冷蔵庫から出して最低15分(できれば30分)ほど外に出してから、食べると、チーズ本来の味が楽しめます。

合うワインは?

たくさんのワイン

重厚感のある赤ワインや貴腐ワインのソーテルヌ等、甘口ワインとの相性が良いです。どちらかというと貴腐ワインなどの極甘口ワインとの相性が良いです。

貴腐ワインといえばフランスのソーテルヌが有名ですが、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイアスーがあり、この3つが世界三大貴腐ワインとして知られています。
お値段もとても高価でなかなか日ごろ飲むことは少ないですが、特別な日のワインは是非ロックフォールに貴腐ワインを合わせてみてください。

フランスやドイツ、ハンガリーの貴腐ワインは高価なので、普段の家飲みとしては南アフリカの貴腐ワインがおすすめです!
南アフリカは、ブドウ栽培に適した土地でぶどうが健康に育つためクオリティの高いワインが安く手に入ります。

そんな南アフリカのおすすめ貴腐ワインは、ブーケンハーツクルーフ・ノーブルレイトハーベストというワインです。
ブーケンハーツクルーフは生産者の名前で、ノーブルレイトハーベストは直訳すると高貴な遅積みという意味で、収穫を遅らせて糖度が高くなったぶどうから造られる甘口ワインです。

ロックフォールに合う赤ワインはやはりフルボディのしっかり濃い赤ワインがおすすめです。
ロックフォールの塩味や風味に負けないような、風味がしっかりとあり、アルコール度数も14度程度、ほんのりぶどうの甘みも感じるような赤ワインがベストです。

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ロックフォールの保存方法

綺麗なオーブンシートにチーズを包み、その上からサランラップを巻いて密封容器に入れてください。

チーズからホエー(乳清)が染み出してきた場合、キッチンペーパーで拭き取ってください。

保管場所は冷蔵庫のチルド室へ。開封後はなるべく早めにお召し上がりください。

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