一度でも二日酔いになったことがある人ならば、その辛さは身に染みていることでしょう。単純に体がつらいだけでなく、「昨日、周りの人に失礼なことをしてしまったかもしれない」「もういい年なのに、飲み方ひとつコントロールできないなんて……」と自己嫌悪感に苛まれる精神的なつらさをも味わうことになります。
そこでここでは、このようなつらい二日酔いの対策として、
・飲む前にまずは気を付けるべきこと
・飲んだ後にできる二日酔い防止策
・二日酔いがもたらすものと、医療機関受診の目安
について解説していきます。
飲む前にまずは気を付けたいこと
二日酔いにならないようにするためには、「飲む前~飲んでいるときの対応」が非常に重要です。まずはここから見ていきましょう。
・大量飲酒を避ける
・短時間でのアルコール摂取を避ける
・食べ物をしっかり食べながら飲む
・チェイサーを入れる
・「ちゃんぽん」「一気飲み」などの危ない飲み方は厳禁!
・栄養ドリンクを飲んでおく
1つずつ解説していきます。
大量飲酒を避ける
二日酔いにならないための大原則として、「大量飲酒を避けること」が挙げられます。当然のことながら、お酒は大量に飲酒すればするほど二日酔いになりやすくなります。また、大量飲酒は時に生命の危険をももたらします。
たとえば、ビール中瓶1本程度の場合は「爽快期」と呼ばれ、陽気になったり、皮膚が赤くなったりする状態でとどまります。ビール中瓶2本程度の場合は「ほろ酔い期」で、体温が上がったり理性が少し失われたりします。
ビール中瓶3本程度の「酩酊初期」は足元にふらつきが見られるようになりますし、ビール中瓶4~6本で起こる「酩酊期」はおうとなどが起きるようになります。
「泥酔期」はビール中瓶7~10本程度で起こるもので、このときになるとまともに立つことができなくなります。命の危険が出てくる「昏睡期」は、排せつさえもコントロールできなくなる深刻な状態です。
二日酔いを避けるためのもっとも確実な飲み方は、「大量飲酒を避けること」です。どれくらい飲めば二日酔いになるかは人によって異なりますが、爽快期などの初期にとどまる飲み方であるならば、二日酔いになる可能性はほぼないといえるでしょう。
出典:公益社団法人アルコール健康医学協会「お酒と健康 飲酒の基礎知識」
https://www.arukenkyo.or.jp/health/base/index.html
短時間でのアルコール摂取を避ける
上記の「大量飲酒を避ける」とも少し繋がる話ですが、二日酔いは「どれくらいの時間でアルコールを摂取したか」によっても異なります。
たとえば、同じ量のアルコールを摂取する場合でも、「お正月だから、朝にワインを2分の1本飲み、昼に残りのワインを飲み、夜に瓶ビールを2本空けた」という飲み方をしたときよりも、「夜にワイン1本と瓶ビール2本を、1時間で空ける」といった飲み方の方が、確実に二日酔いになりやすくなります。
「今日はお酒を飲みたいが、二日酔いにはなりたくない」という場合は、意識して時間に余裕をもって飲むようにしましょう。
食べ物をしっかり食べながら飲む
お腹に何もない状態でアルコールを摂取してしまうと、酔いが回りやすくなりますし、二日酔いにもなりやすくなります。このため、お酒を飲むときは「しっかり食べながら飲むこと」を意識しましょう。
特にサラダなどは二日酔いを防ぐために効果的です。なぜならサラダに使われる野菜のなかに含まれているビタミン類は、アルコールの分解を促進してくれる栄養素だからです。
チェイサーを入れる
アルコールを飲む場合は、その合間に「アルコールが入っていない飲み物」を飲むようにしましょう。こうすることによって飲みすぎも防げますし、アルコールの分解も進みやすくなります。ちなみにチェイサーとしてもっとも理想的なのは、白湯だとされています。
なお、「ワインなどのアルコール度数が高いお酒のチェイサーとして、ビールなどのアルコール度数が低いお酒を用いる」というやり方を紹介している記事もありますが、これは極めて危険です。チェイサーには、アルコールを含まない飲み物を選びましょう。
「ちゃんぽん」「一気飲み」などの危ない飲み方は厳禁!
「いろんな種類のお酒を一度に飲む(いわゆる『ちゃんぽん』)」「一気飲みをする」などの危険極まりない飲み方は、厳禁です。
これは二日酔いの原因になるだけでなく、急性アルコール中毒などを招き、人を死に陥れかねない非常に危ない飲み方です。
新人歓迎会などが行われる時期や忘年会の時期、また夏場などにはこの急性アルコール中毒で運ばれる人が非常に多くなりますが、このような飲み方は絶対に避けましょう。また当然のことながら、人にこれを強制してはいけません。
栄養ドリンクを飲んでおく
あらかじめ栄養ドリンクを飲んでおくことも、二日酔い防止には有用です。
たとえばうこんなどがその代表例です。うこんに含まれているクルクミンなどは、アルコールの分解をサポートしてくれたり、胃にかかる負担を軽くしてくれたりします。また、しじみを使った栄養ドリンクにも、同様の効果が期待できます。
栄養ドリンクは「薬」ではありません。そのため、コンビニなどでも手軽に購入することができます。
飲み会の前に一度コンビニに寄って、これを買っておきましょう。
飲んだ後にできる二日酔い防止策
上では「飲む前~飲んでいる最中にできる二日酔い対策」を紹介しました。ここからは、「飲んだ後にできる二日酔い防止策」について紹介していきます。
・すぐに寝ることはしないでおく
・ビタミンCやビタミンBを積極的にとる
・水分をしっかりとる→コンビニで補給を、など
・場合によっては二日酔いに効果的な薬を使うのも手
1つずつ解説します。
すぐに寝ることはしないでおく
アルコールが入ると体が温まり、眠くなってしまう人は多いものです。しかしアルコール摂取後にすぐに寝てしまうと、アルコールの分解速度が低下してしまいます。
そのため、できるかぎり、「アルコールを飲んだ直後にベッドに行くこと」は避けて、酔いがある程度落ち着いてから寝るようにした方がよいでしょう。
ちなみに「アルコールはお風呂に入れば抜ける」と考える人もいますが、これは極めて危険です。酔っているため判断力が鈍くなってけがをしやすくなりますし、お風呂で寝入ってしまう可能性もあります。また、飲んだ後は水分が失われているため、脱水症状に陥る可能性もあります。
お風呂は、飲酒前に済ませておきましょう。
ビタミンCやビタミンBを積極的にとる
上でも軽く触れましたが、ビタミン類はアルコールの分解を手助けしてくれるものです。
お酒を飲んでいるときはもちろん、飲酒後にも積極的に取るようにしましょう。
なお「ごはんを食べながらお酒を飲んだので、お腹がいっぱい……」ということもあるかと思われますが、そのような場合は、カップに入ったカットフルーツなどを選ぶようにするとよいでしょう。
カットフルーツならば手軽に食べることができますし、さっぱりしたさわやかな味わいを持つため、お酒で酔った舌や体、頭でも楽しむことが可能です。
水分をしっかりとる
飲酒中に水分を摂取することは有意義ですが、お酒を飲んだ後でも水分を取ることは効果的です。お酒には利尿作用があるため、体が脱水状態に陥りやすいのですが、飲酒後に水分を補給することでこれを解消できます。
ここでももっともお勧めなのは「白湯」です。現在はコンビニでも常温の飲み物が売られているので、これを買うとよいでしょう。なお糖分が多く含まれているため常用は避けたいスポーツドリンクも、飲酒時には有用な味方となってくれます。
場合によっては二日酔いに効果的な薬を使うのも手
二日酔いになる前に、「二日酔いに効果的な薬」を飲んでおくのもひとつの手です。二日酔いになることを防止するための薬は、主に「飲む前に服用する薬」と「飲んだ後に服用する薬」に分けられます。
飲んだ後に服用する薬としておすすめなのが、「胃腸や肝臓の動きを支援する成分が入っているもの」「アルコール分解を進めるビタミン類が配合されたもの」などです。
ただしこれらは「薬」であるため、販売に関しては制約がつけられています。コンビニでも医薬品登録販売者がいるところでならば手に入りますが、そうでない場合は「深夜に」「すぐに」買うことは難しいでしょう。そのため、前もって家の救急箱に入れておくことを強くおすすめします。
二日酔いがもたらすもの~あまりにもひどい場合は受診を
二日酔いになった場合、頭痛や胃痛、胃もたれや吐き気などに悩まされることになります。また実際に嘔吐してしまったり、トイレから出るのが難しいくらいの下痢に悩まされたり、吐血にいたったりすることさえもあります。
これらの症状は、基本的には時間が経過することで自然に消滅していくことが多いものですが、場合によっては24時間以上続くこともあります。
「吐血が見られる」「嘔吐が激しい」「胃痛が収まらない」「時間が経過しても、症状がまったく改善しない」「いろいろな対策をとったが、状況が改善しない」という場合は、医療機関への受診を検討しましょう。アルコールが原因で、急性胃炎などが起きている可能性も否定できないからです。
現在はアルコールに関する理解が深まり、その危険性が広く周知されるようになってきています。しかしそれでも、二日酔いに悩まされる人は多くいます。
自分自身がその「二日酔いに悩まされる人」にならないようにするために、まずは飲む前~飲んだ後の対策をしっかり講じましょう。そのうえで、二日酔いの症状が強く出たり、時間が経過しても症状が治まらなかったりした場合は、速やかに医療機関に足を運ぶようにしてください。 アルコールは、私たち人類にとって長い友であり、多くの快楽をもたらしてくれるものです。しかし付き合い方を間違えば、不快感をもたらすことはもちろん、命をも奪いかねない敵となりえます。二日酔いの防止策に代表される「アルコールとの上手な付き合い方」を覚えておきたいものですね。