スパークリングワイン製法の違いと世界のスパークリングワインの種類

シャンパンで乾杯

みなさんこんにちは。お祝いなどの晴れの席でよくみるスパークリングワイン。

日本でスパークリングワインとは3気圧以上のガス圧をもった発泡性ワインの事です。

もしかして炭酸飲料のようにガスを注入したワインだと思っていませんか?

実はぶどうの力で発泡しているワインもあります。

今日はスパークリングワインについて製法の違いと

世界の色々なスパークリングワインの種類をお伝えします。

目次

スパークリングワインの6つの造り方

シャンパングラス

瓶内二次発酵方式(メトード・トラディショナル)

別名シャンパン方式と呼ばれます。搾汁後に最初の発酵をタンクや樽で行い、瓶詰めをした後に瓶内で二次発酵をさせる方式です。

瓶内の酵母が糖を分解する時にアルコールと炭酸ガスが発生します。

2ヶ月間ゆっくりと発酵させることで複雑な香りと独自のきめの細かい

クリーミーな泡のワインが出来上がる方式です。

含有の炭酸ガス含有量も多く泡持ちもいいですね。

この方式では数ヶ月かけて瓶口に澱をあつめます。ルミアージュ(動瓶)という作業で

逆さにした瓶を1日に1/8ずつまわしながら澱を集めていく作業。

専門の職人がいるほどの作業ですが、近年では機械化されているところもあります。

その後はデゴルマンジュ(澱引き)。瓶口を特殊な液体につけて凍らせます。

凍った澱の塊をガス圧で飛び出させる作業です。

最後はデゴルマンジュで減ったワインをリキュールで補填します。澱引き後のワインは非常に辛口なのでワイン原液に糖分を加えたリキュールを足します。これをドザージュ(門出のリキュール)と呼んでいます。粋なネーミングですね。最後は打栓をして完成です。

フランスのシャンパンはこの方式が使用されています。

手間と時間がかかり、比較的高価なスパークリングワインに用いられます。

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シャルマ方式(メトード・シャルマ)

密閉タンク方式とも呼ばれます。スティルワインを大きなタンクで二次発酵までさせてから瓶詰め。一度に大量のスパークリングワインが生産できます。

又、空気に触れることが無いので、マスカット種やリースリング種などアロマティックなぶどうで香りを残したいスパークリングワインに向いています。シャルマ方式の利点ですね。

瓶内二次発酵ほどの泡のクリーミーな細かさはないものの十分に楽しめる細やかな泡があります。

元々はイタリアで開発された方式でフランス式に改良されました。その方の名前がユージン・シャルマ氏で御本人の名前が採用されています。低コストで早く、少ない労力で製造できるので人気のある製造方式です。イタリアのスプマンテが有名。

アスティ方式

シャルマ方式の基となった製法。搾汁をした果汁を冷却して保存しておき、使うタイミングで加熱して発酵を行います。アルコール度数も低く、7%ほどで発酵を止めて濾過をします。

泡もおだやかで優しくすっきりとしています。

シャルマ方式と違うところは発酵が1回のみで、糖分を残したままのフレッシュで自然な甘口のワインが出来上がります。名前の通りイタリアのアスティに使われる方式です。

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トランスファー方式(トランスファー・メトード)

トランスファー方式は瓶内二次方式を簡略化させた方式。

ルミアージュ(動瓶)とデゴルマンジュ(澱引き)を省く事ができます。一旦、瓶内二次発酵をさせた発泡性ワインを圧力のかかったタンクに移します。そうすることで炭酸ガスがワイン中から逃げません。その後冷却をして澱を濾過して取り除き、瓶詰めをします。

ドイツのゼクトなどが有名。大量生産がしやすく瓶内二次発酵のワインに近い泡が造られます。

炭酸ガス注入方式(ガゼイフィエ)

発酵が終了したスティルワインに圧力下で炭酸を注入する方式です。

ベースワインのアロマを損なわない、フルーティーなスパークリングワインを造るには便利な方法。注入した泡なのですこし粗めですが、手間が少なく大量に安定したスパークリングワインが低コストで生産できます。

気軽に楽しみたい方には最適ですね。

田舎方式(メトード・リュラル)

一次発酵途中のワインを瓶に詰めて密封。残りの発酵も瓶内で行います。

南フランスの一部の地域ではこの方式を取り入れています。

澱引きをするかしないかは生産者のスタイルにより変わりますが、ほとんどの生産者がしないので独特の旨味があります。

二次発酵を行わないことでアルコール度数が低くなりますがぶどう本来のアロマが損なわれないワインが出来上がります。泡立ちはおだやかです。

少し濁った外観で、旨味のある味わいに仕上がるのが特徴です。

日本のデラウェアやマスカットなど旨味のあるぶどうでよくみかける方式。

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「シャンパン」と「スパークリング」の違いとは?

ワインを選ぶ女性

「シャンパン」とはフランスのシャンパーニュ地方で作られた「スパークリングワイン」のことです。スパークリングワインのことを総じてシャンパンと呼んでいる方も多いのですがこれは正確な表現ではありません。

又、シャンパンには厳格な法律で定義があり、それをクリアしたスパークリングワインのみが「シャンパン」を名乗れます。

シャンパンの定義

  • 地域はフランスのシャンパーニュ地方で造られていること
  • ぶどう品種はピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3種類か、いずれかを使っていること
  • 醸造方法はシャンパン(シャンパーニュ)製法で造られていること
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世界の主なスパークリングワイン

世界には様々なスパークリングワインがあり、製造法も様々です。

代表的なスパークリングワインをご紹介します。

フランス

スパークリングワインの総称は「ヴァン・ムスー」といいます。

・シャンパン

シャンパーニュ地方で造られる瓶内二次発酵のスパークリングワイン

スパークリングワインの王道できめ細かい泡や香ばしさがあります。

・クレマン

特定の地域で造られる瓶内二次発酵のスパークリングワイン

シャンパンに比べるとガス圧が低く、すっきりとした印象に感じられます。

・ペティアン

微発泡ワインのことを指します。発酵途中で瓶詰めをされるので生ジュースに近い味わい。

南フランスの自然派ワイン、ペティアン・ナチュレが人気。

イタリア

スパークリングワインの総称は「スプマンテ」といいます。

・プロセッコ

イタリアヴェネト州でシャルマ方式を使って造られるスパークリングワイン

ぶどう由来のフレッシュさが特徴の軽やかな味わいがあります。

・アスティ

ピエモンテ州で造られるアスティ方式で造った甘口のスパークリングワイン

日本でもファンの多い飲みやすいワインです。

・フランチャコルタ

ロンバルディア州のフランチャコルタ地域で造られる瓶内二次発酵のスパークリングワイン

イタリアのシャンパン的な存在。クリーミーな泡で華やかなワインですね。

・フリッツァンテ

スプマンテより発泡性の低いワイン。ガス圧が1〜2.5気圧でイタリアのスパークリングワインのこと。

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スペイン

スパークリングワインの総称は「エスプーモ」

・カヴァ

スペインで造られる瓶内二次発酵のスパークリングワイン

コスパのいい本格的なワインなのでデイリーワインとしておすすめです。

ドイツ

スパークリングワインの総称は「シャウムヴァイン」

・ゼクト

製造方法の規定は様々あり、細かく分類されている比較的高品質なスパークリングワイン

他にもあるスパークリングワインの種類

赤のスパークリングワイン

白やロゼしかないと思われがちなスパークリングですが

実は赤のスパークリングワインもあります。主に甘口が主流。

フランスのブルゴーニュとロワール。イタリアのランブルスコやサングエ・ディ・ジューダ。又、ドイツでは瓶内二次発酵の赤スパークリングがあります。

赤スパークリングは個性豊かですね。

シードル

りんご果汁のみから造られる醸造酒。醸造工程はワインと同じような造り方をします。

飲みやすい口当たりでりんごの香りがさわやかです。

シードルはりんご産地で古くから造られていてヨーロッパや日本でも造られています。

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ノンアルコールスパークリング

近年では種類が増えてきたノンアルコール飲料。スパークリングワインでは大きく分けて2種類あります。

脱アルコールタイプ

元々アルコールが入っているスパークリングワインからアルコールを取り除いて製造されます。蒸留したり、フィルターで分離したりと方法は様々。

風味や味わいはそのままで楽しめます。本物のスパークリングワイン好きな方が、シーンによっては飲めない時におすすめのタイプですね。

ジュースタイプ

製造過程でアルコールが発生しない、もしくはしにくい酵母を使って造られたものです。

果実感が強まりジュースのような味わいになります。

子供から大人まで楽しめる安心のスパークリングワインです。

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最後に

スパークリングワインの製法には様々なものがあり、近年ではノンアルコールもでてきました。なんといっても泡のシュワシュワしたワインは飲む人の心をウキウキさせてくれます。これからも色々なシーンで私達の生活を盛り上げてくれる飲みものですね。

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