パルミジャーノレッジャーノは日本でもおなじみのチーズです。チーズ専門店には必ずと言っていいほどパルミジャーノチーズは取り扱いされています。スーパーマーケットでも取り扱いしているところが多くあります。
このパルミジャーノレッジャーノによく似たチーズにグラナパダーノというチーズがあります。
グラナパダーノは飲食店などでもお料理によく使われるチーズです。
パルミジャーノレッジャーノによく似たグラナパダーノというチーズはご存じの方も多いのではないでしょうか。
「もちろん知っている!」という方もおられると思いますが「知らない」「初めて聞いた」という方もこの記事を読めばパルミジャーノレッジャーノとグラナパダーノの違いを知ることができます。
また、パルミジャーノレッジャーノとグラナパダーノの使い分け方についても解説します。
パルミジャーノレッジャーノとグラナパダーノの違いを知って、チーズライフを豊かにしましょう!
パルミジャーノレッジャーノとはどんなチーズ?
パルミジャーノレッジャーノはイタリア北部の特定の地域で生産されるハードタイプのチーズです。イタリアチーズの王様とも呼ばれホール重量はなんと30キロ以上もあります。
熟成期間が長くなるほど白いアミノ酸(うまみ成分)が結晶化されジャリっとした歯触りと濃縮したチーズのうま味が口いっぱいに広がります。
製造は1日1回に限られており、熟成期間も最低12か月と定められています。生産地域はイタリア北部のエミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州で、乳種は牛の無殺菌乳から作られます。
分類 | ハードチーズ |
産地 | エミリア・ロマーニャ州、ロンバルディア州 |
D.O.C取得年(現D.O.P) | 1955年(D.O.Pは1996年取得) |
乳種 | 牛(無殺菌乳) |
熟成期間 | 最低12か月 |
グラナパダーノとはどんなチーズ?
グラナパダーノもパルミジャーノレッジャーノ同様イタリア北部(ピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州)で生産されるハードタイプのチーズです。料理やおつまみに大活躍することから「キッチンのハズバンド」と呼ばれ重宝されています。
製造は1日2回許されており、熟成期間は最低9か月間と定められています。
乳種は牛の無殺菌乳から製造されています。
分類 | ハードチーズ |
産地 | ピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州 |
D.O.C取得年(現D.O.P) | 1955年(D.O.Pは1996年取得) |
乳種 | 牛(無殺菌乳) |
熟成期間 | 最低9か月 |
パルミジャーノとグラナパダーノの製法の違い
製法の違いは、「1日の製造回数」と「熟成期間」、「卵白リゾチームの添加の有無」と言えるでしょう。
1日の製造回数の違い
1日の製造回数の違いはパルミジャーノレッジャーノは1日1回なのに対してグラナパダーノは1日2回の製造が可能です。後ほど価格についても触れますが、製造回数が多いことも理由の一つとなりパルミジャーノレッジャーノよりも市場には安く出回ります。
D.O.Pによりなぜ製造制限が設けられているのか疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。
パルミジャーノレッジャーノは、伝統製法を守るためD.O.Pにより1日1回に限られています。
製造 | パルミジャーノレッジャーノ | グラナパダーノ |
1日の製造回数限度 | 1回 | 2回 |
熟成期間の違い
熟成期間はパルミジャーノレッジャーノは最低12か月間の熟成とD.O.Pの規定により定められています。
一方でグラナパダーノの熟成期間は最低9か月間とパルミジャーノレッジャーノよりも短く、短期間に製品として販売されることが分かります。熟成期間の違いもグラナパダーノの価格がパルミジャーノレッジャーノよりも安い理由の一つとなります。
熟成期間 | パルミジャーノレッジャーノ | グラナパダーノ |
D.O.Pが定める最低熟成期間 | 12か月間 | 9か月間 |
卵白リゾチームの添加の有無
次に挙げられる違いが卵白リゾチームの添加の有無です。
パルミジャーノレッジャーノには卵白リゾチームの添加は許可されておらず、グラナパダーノには許可されています。
聞きなれない卵白リゾチームを簡単に解説します。
チーズ中のClostridium Tyrobutyricumによる絡酸発酵を防ぐ抗菌剤として使用されており、リゾチームは卵白由来の酵素です。
引用元:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu00850430149
簡単に言うとチーズの異常発酵を抑える効果があり安定したチーズの製造を行うことができます。
卵白リゾチームの添加 | パルミジャーノレッジャーノ | グラナパダーノ |
有無 | 無 | 有 |
生産地域の違い
生産地域の違いは主にチーズが生産される地域の広さです。
パルミジャーノレッジャーノは、エミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州で生産されるのに対して、
グラナパダーノはピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州とパルミジャーノよりも広い地域で生産されることが分かります。
生産地域 | パルミジャーノレッジャーノ | グラナパダーノ |
州 | エミリア・ロマーニャ州、ロンバルディア州 | ピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州 |
流通価格の違い
日本ではパルミジャーノレッジャーノは1kgあたり約4000円で流通しています。一方でグラナパダーノは1kgあたり約2800円で販売されています。
前項で記載しましたが1日の製造回数の違いや熟成期間の違いにより1kgあたり約1200円の違いがあります。
価格 | パルミジャーノレッジャーノ | グラナパダーノ |
1kgあたり | 約4,000円 | 約2,800円 |
味わいの違い
熟成期間の違いにもよりますが、ここではパルミジャーノレッジャーノ24か月とグラナパダーノ12か月の味わいの違いについて説明します。
パルミジャーノレッジャーノ
パルミジャーノレッジャーノは、味わい深く濃厚なミルクのうま味とアミノ酸が結晶化したジャリジャリとした触感が特徴的です。
ナッツのような香ばしさとほんのりとドライパイナップルのようなフルーティな香りもします。
色味はグラナパダーノに比べて黄色味が強く、アミノ酸の結晶が白くなっておりところどころにあるのが分かります。
グラナパダーノ
パルミジャーノレッジャーノよりもミルクの穏やかな甘みとほんのり塩気を感じることができます。
色味はパルミジャーノレッジャーノよりも白っぽく、香りも穏やかな印象です。
パルミジャーノとグラナパダーノの違いまとめ
パルミジャーノレッジャーノ | グラナパダーノ | |
1日の製造回数限度 | 1回 | 2回 |
最低熟成期間 | 12か月 | 9か月 |
卵白リゾチーム添加の有無 | 無 | 有 |
生産地域 | エミリア・ロマーニャ州、ロンバルディア州 | ピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州 |
流通価格 | 約4,000円/kg | 約2,800円/kg |
味わい | 味わい深く濃厚なミルクのうま味とアミノ酸が結晶化したジャリジャリとした触感が特徴的 | パルミジャーノレッジャーノよりもミルクの穏やかな甘みとほんのり塩気を感じる |
パルミジャーノとグラナパダーノの使い分け方について解説
では、パルミジャーノとグラナパダーノの違いを知ったうえでどのように使い分けたらいいの?と疑問に思われたと思います。
これが正しいという正解はありませんが、是非参考にしてみてください。
イタリア在住女性に聞いたイタリアでのパルミジャーノレッジャーノとグラナパダーノの使い分け方
イタリアでは料理をするときにパルミジャーノとグラナパダーノを使い分けるということはしないようです。
例えばカルボナーラを作る時に繊細な味が好きな方はグラナパダーノを使いますし、濃厚なチーズの味を楽しみたい方はパルミジャーノレッジャーノを使うそうです。
そのまま食べるときも味わいの好みによるとのことです(笑)
イタリアンシェフに聞いたパルミジャーノとグラナパダーノの使い分け方
グラナパダーノは基本的にパスタの仕上げやミラノ風カツレツなど料理に使います。
パルミジャーノレッジャーノはチーズの盛り合わせのようなそのままカットして提供していますね。
使い分け方としては、パルミジャーノレッジャーノはそのままカットしてお出ししていますし、グラナパダーノはお料理に使うといった感じになります。