「ワインは悪酔いしやすい」なんて思っていませんか?
あるいは、ワインを飲んで頭痛になった、吐き気がした、ひどい二日酔いになったという人の話を聞いて、ワインは酔いやすいお酒という印象があるかもしれませんね。
でも、ワインが悪酔いしやすいというのは本当なのでしょうか?
だとしたら、どういう理由で悪酔いするのでしょうか?
今回の記事では、
・ワインが悪酔いや二日酔いをしやすい理由やその対処法
・ワインが体に合わない人や酔いやすい人とは?
・赤ワインや白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインなど、どのワインが悪酔いしやすいのか?
・ワインは他のお酒と比べて悪酔いしやすいというのは本当なのか?
・悪酔いしにくいワインの飲み方や適量は?
などを解説してまいります。
ワインで悪酔いしないための知識を得たいと思っているのであれば、ぜひ本記事をお読みください! せっかくのおいしいワインが嫌な思い出となってしまう、なんてことを避けられますよ。
ワインで悪酔い、二日酔いをする原因と対処法
「ワインは悪酔いをしやすい」といわれることに関して、世間では二日酔いも含めて悪酔いといっているように思います。
そこで、はじめに悪酔いと二日酔いの違いについて、はっきりさせておきましょう。
それから、ワインが悪酔い、二日酔いしやすいとされる原因とそれらの症状が出たときの対処法についてお伝えしてまいります。
悪酔い、二日酔いとは?
悪酔いも二日酔いも、ワインに限らずお酒を飲んで起こる症状です。
具体的には、顔が赤くなる、心拍数が上がる、吐く、頭痛がするといったことが起こります。
症状としてはほぼ同じなのですが、悪酔いと二日酔いには一応の線引きがあります。
それぞれについて、見てみましょう。
ただし、両者は明確に区別できませんので、その点はご了承ください。
また、本記事ではこれ以降、特に断りがないかぎり二日酔いも含めて悪酔いと記述させていただきます。
悪酔い
お酒を飲み始めてから、おおよそ2~6時間後に症状が現れるのが悪酔いです。
つまり、多くの場合はお酒を飲んでいる途中に、吐く、頭痛がする、おかしな行動を取るなどが起こります。
いつも以上に、早いペースで飲んでしまったり、普段よりも強いお酒を飲んでしまったりして、体内でのアルコールのめぐりが想定よりも早くなることで起こるようです。
また、体調が良くないときにも起こりやすく、いつもなら平気な量のお酒であっても、悪酔いしてしまいます。
二日酔い
お酒を飲んだ翌日、つまり寝て起きた後に現れるのが二日酔いです。
飲み始めてからの時間では、およそ8時間以降になってから感じる症状です。
二日酔いでは、一般的に頭痛や吐き気、胸焼け、倦怠感などの症状が出てきます。
悪酔いとは若干事情が異なり、お酒を飲むペースなどよりも、摂取したアルコールの総量が関係するといわれています。
ワインで悪酔い、二日酔いする原因
最初にはっきりさせておきたいのは、悪酔いや二日酔いをする最も大きな原因はお酒の飲み方や飲む量にあるということです。
つまり、ワインだからという点が悪酔いに関係することは、あまり多くありません。
それを前提として、アルコールに原因がある場合とワインに含まれる他の成分に原因がある場合に分けて説明します。
アルコールが原因の場合
ワインをはじめとするお酒を飲むと、そこに含まれるアルコールは胃や小腸から体内に吸収されます。
吸収されたアルコールは血液により肝臓に運ばれて「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸→水と二酸化炭素」の順に分解されていきます。
この時、アルコールが分解されて最初に作られるアセトアルデヒドが強い毒性を持っており、悪酔いを引き起こすのです。
顔が赤くなる、吐く、頭痛がするなどの症状が出るのは、このアセトアルデヒドによって引き起こされることがほとんどです。
二日酔いも、このアセトアルデヒドが分解されず体内に残っていることが、主な原因となります。
ただし、二日酔いは血中のアセトアルデヒドが少なくなってから起こることもあり、この場合は血中の神経伝達物質が増えることなどが原因となっているようです。
もっとも、アセトアルデヒドになる前のアルコール自体が悪酔いの原因となることもあります。
例えば、他人に絡んだり、前後不覚になったりするのは、アルコールが脳の機能を麻痺させて理性を失ってしまうことから起こっています。
悪酔いの原因として、先ほどのアセトアルデヒドとは区別しておくとよいでしょう。
さらに付け加えますと、原因自体はアルコールにあるけれど、ワインだから飲み過ぎてしまい悪酔いをすることもあります。
なぜそうなるのかという理由の一つが、ワインの口当たりがよいことで飲み過ぎてしまうことです。
ブドウを原料とするワインは、他のお酒と比べるとフルーティーで飲みやすいものが多いといえます。
甘いワインでは、お酒らしさをほとんど感じないものもあるくらいです。
それで、つい飲み過ぎてしまうのでしょう。
特に、お酒の知識があまりなく、適量を感覚ではかっている人にその傾向があるようです。
ほとんどのワインが10%を超えるアルコール度数なので、思ったよりもアルコールを摂取してしまい、悪酔いしてしまうようです。
また、ワインの温度も、悪酔いにつながりやすい原因といえるでしょう。
これは、主に赤ワインに関してですが、飲まれる温度が他のお酒に比べて高いことがほとんどです。
アルコールは体温に近いほど吸収が早まるのですが、冷たいお酒と同じように赤ワインを飲むと、急激にアルコールが吸収されます。
そのため、普段より早くアルコールが回り、悪酔いしやすくなってしまうということです。
ワインに含まれる他の成分が原因の場合
続いては、アルコール以外のワインに含まれる成分が原因で悪酔いしてしまうという場合を紹介します。
しかし、これらは悪酔いとの関連性がわかっていない部分が多くあります。
また、ワインごとに含まれる量も異なりますし、その成分に対する反応も人それぞれです。
加えて、含まれている量が記載されているわけでもありません。
あくまでも、可能性があるという程度でお考えいただきたいと思います。
酸化防止剤
酸化防止剤は、ほとんどのワインに使用されています。
ワインのラベルなどには、「酸化防止剤」の他に、物質の具体名である「亜硫酸塩」「二酸化硫黄」といった名前で表記されていることもあります。
亜硫酸塩は、雑菌の繁殖を防ぐなどの様々な効果があり、発酵中や保存中の品質保持といった目的でワインに欠かせません。
もちろん使用する際は、人体に影響がないとされる量に抑えられていますので、亜硫酸塩が原因で悪酔いになる人はほとんどいません。
しかし、亜硫酸塩にアレルギーがある人や過敏な人が飲むと、悪酔いの症状が出ることがあるので、悪酔いの原因の一つとして挙げられることが多いようです。
チラミン
チラミンは、多くの食品にも含まれている成分ですが、お酒作りの際の発酵や熟成の過程でも発生します。
特に、赤ワインで多く行われるマロラクティック発酵という、ワイン内のシャープな酸味を持つリンゴ酸をまろやかな酸味の乳酸に変える過程で生まれます。
ですから白ワインなどと比べて、赤ワインのほうに多く含くまれている成分です。
このチラミンには、血管を収縮させる働きがあり、収縮した血管が後に拡張する際に頭痛を引き起こします。
チラミンは食品にも含まれるとお伝えしましたが、なぜかチーズなどのワインと相性が良いものに多く含まれています。
ワインを飲むと頭が痛くなりやすいのであれば、一緒に食べているものに原因があるかもしれませんので、見直してみてください。
赤ワインと頭痛について、詳しくはこちらをご覧ください。
ヒスタミン
ヒスタミンも、お酒を作る際の発酵時に発生する成分です。
日本酒やビールなど、ほとんどの醸造酒に含まれていますが、赤ワインは特に多くのヒスタミンを含んでいるといわれます。
このヒスタミンは、チラミンとは逆に血管の拡張作用を持っており、頭痛を引き起こします。
そもそもヒスタミンはアレルギー反応の原因となる物質なので、頭痛以外のくしゃみやかゆみなどが出る場合はヒスタミンが原因と思ってよいでしょう。
悪酔い、二日酔いしたときの対処法
それでは、悪酔いや二日酔いになってしまったときはどうしたらよいのでしょうか。
代表的な対処法をご紹介します。
水を飲む
アルコールやアセトアルデヒドなどの物質は体内に存在する量が多かったり、血中の濃度が高かったりすることで悪酔いが起こります。
ですから、体内から出すことや薄めることを考えるとよいでしょう。
そうなりますと、解決策は体内の水分を増やすこと、尿として排出することです。
ということで、悪酔いをしたら、まずは水をたくさん飲んでください。
水以外にも、スポーツドリンクなどを飲むのも効果的ですが、フルーツジュースなどの酸味の強いものは胃への刺激が強いので、吐き気があるときは避けたほうがよいでしょう。
悪酔い、二日酔いに効くものを食べる
悪酔いに効く栄養素や成分がいくつかありますので、これらをとるとよいでしょう。
代表的なのがシジミです。
シジミにはオルニチンという成分が含まれており、これがアセトアルデヒドの分解を促進し、肝臓の働きを補助します。
味噌汁にすれば、水分やミネラルなど悪酔い対策になる他の成分も摂取できますので、さらにおすすめです。
他にも、ビタミンB1やビタミンCなどもアルコールの分解時に必要な栄養素なので、豚肉や果物、野菜などを食べるとよいでしょう。
薬を飲む
それでも、頭痛や吐き気、胸焼けなどのつらい症状が治まらないときは、薬を飲むのも一つの手です。
ただし、薬により症状が軽くなったとしても、体のダメージ自体がなくなるわけではありません。
お酒による影響は残っていますので、無理をせずに体調の回復に努めましょう。
ワインが体に合わない人、酔いやすい人とは?
先述のとおり、ワインには悪酔いしやすい成分が皆無とはいえません。
また、ワインに限らずお酒全般に対して酔いやすいということもあります。
それぞれ、どのような人が悪酔いしやすいのかを解説します。
原因物質への敏感さ
先ほど挙げた、酸化防止剤やチラミン、ヒスタミンに関しては、反応の敏感さに個人差があります。
また、悪酔いとの因果関係も判別しにくいため、自己判断は避けたほうがよいでしょう。
もしこれらの物質に反応している可能性があると感じたときは、医師に相談することをおすすめします。
分解酵素のあるなし
よく「お酒は飲むと強くなる」といいますが、実は生まれつきお酒の強さは決まっています。
正確には、お酒の分解にかかわる酵素の量が決まっているということなので、飲み慣れることで飲む量が増えていくことはありますが、この酵素の量は変わりません。
ちなみにこの酵素は「ALDH2」と呼ばれるもので、アルコールが分解されたアセトアルデヒドをさらに酢酸に分解する際に必要となります。
このALDH2の活性によって人は
・活性が強い人
・活性が弱い人
・活性がない人
の3タイプに分けられます。
この中の、活性が強い人がいわゆるお酒の強い人であり、活性が弱い人とない人がお酒の弱い人ということです。
ちなみに、日本人の約4割がこのお酒の弱い人にあたります。
白人や黒人には、活性が強い人しかいないとのことなので、世界的に見ると日本人はお酒に弱い民族といえるでしょう。
ワイン同士や他のお酒との悪酔いしやすさの比較
悪酔いするかどうかは、基本的にはアルコールの摂取量や飲み方などで決まるのですが、一部ワイン特有の成分が関与しているとお伝えしました。
では、ワイン同士で比較した場合に違いはないのでしょうか。
また、含まれる成分を除外した上で、他のお酒と比較して悪酔いしやすいということはないのでしょうか。
以下で説明してまいります。
ワイン同士の比較
あなたは、「安いワインは悪酔いしやすい」と聞いたことはありませんか?
また「赤・白・ロゼ・スパークリングなど様々なタイプのワインがあるけれど、酔いやすさに違いはないのだろうか?」と思ったことはないですか?
それらについてお話しします。
安いワインは高いワインと比べて悪酔いしやすい?
これは、ワインに限らず「安いお酒は悪酔いしやすい」というのが、当たり前のように語られます。
しかし、「ワインの金額によって酔いやすさが異なることはない」というのが、現在の定説です。
あくまでも、お酒を飲む早さやアルコールの摂取量が悪酔いの原因だということです。
ただし、安いお酒は味わうことをせずにグイグイ飲んでしまったり、金額を気にしなくて済むので遠慮なく飲んでしまったりすることがあります。
このことが原因で、飲み過ぎてしまうということは考えられます。
もちろん、一部の安いお酒には粗悪なものや添加物が多いものがあり、まったく関係がないとはいえないのですが、飲み方や量を間違えなければ安いお酒でも悪酔いはしないと考えてよいでしょう。
ただし、この後お伝えする、温度や、炭酸の有無での違いはあると思いますので、その点はお気を付けください。
赤・白・ロゼ・スパークリングではどれが酔いやすい?
これらの違いについても、飲むスピードやどれだけのアルコールを摂取したかで悪酔いするかどうかは決まり、種類はほぼ関係ないといえます。
ただし先ほど触れたように、赤ワインは他と比べて高い温度、つまりより体温に近い温度で飲むため、アルコールの吸収が早くなり、そのせいで酔いやすいとはいえるでしょう。
この温度に関しては、一般的にロゼワインも白ワインと比べれば高い温度で飲まれることが多いようです。
また、炭酸もアルコールの吸収を早めるといいますので、スパークリングワインは他の種類のワインと比べれば、酔いやすいということになります。
また、チラミンはマロラクティック発酵をした赤ワインのほうが多くなりますので、その点でも悪酔いのしやすさの違いはあるといえるでしょう。
となりますと、少しの違いではありますが、悪酔いしやすさで並べると以下のように並べられます。
赤ワイン>スパークリングワイン>ロゼワイン>白ワイン |
ワインと他のお酒との比較
このテーマに関しても、一般的によく言われることがあります。
それは「ワインや日本酒などの醸造酒のほうが、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒より悪酔いしやすい」ということです。
しかし、この件に関しても、醸造酒のほうが悪酔いしやすいという確たる証拠はないというのが定説です。
もちろん、ワインに含まれる酸化防止剤やチラミン、ヒスタミンなどが体質的に合わなければ、悪酔いしやすくはなるでしょうが、お酒の種類自体が影響するとは考えられていません。
ただし、お酒によって飲むときの度数や飲むピッチが変わるため、それらによってアルコールの摂取量が増えてしまうことはあるでしょう。
もし特定の種類のお酒で悪酔いしやすいと感じるのであれば、純アルコール量に変換してどれだけ飲んでいるかを比較してみることをおすすめします。
悪酔いしにくいワインの飲み方や適量とは?
ここまでお伝えしてきたように、悪酔いするかどうかの原因の多くは、どれだけアルコールを摂取したかと、どういうペースで飲んだかによるということです。
しかし飲み方次第では、アルコールの吸収を遅らせたり分解を促進させたりすることはでき、悪酔いしにくくすることが可能です。
ここでは、悪酔いしにくいワインの飲み方とワインの適量についてお話しします。
悪酔いしにくいワインの飲み方
まず悪酔いしにくいワインの飲み方の紹介をしてまいりますが、これはどれか一つをやればいいというものではありません。
できるだけ多くのことをやるようにしてください。
水をたくさん飲む
最も簡単でありながら、効果もあるのが水をたくさん飲むことです。
悪酔いしたときの対処法でもお話ししましたが、悪酔いしないためにもアルコールやアセトアルデヒドの濃度を薄め、体外に出すことが最も重要です。
それで、「酒の量と同じだけ水を飲め」と広く言われています。
「2倍飲め」と言う人もいるくらいです。
それくらい大事なことなので、ぜひ実行してください。
もし水を飲みづらい状況であれば、何らかのノンアルコールドリンクでよいので飲んで、体内のアルコールを薄めましょう。
空腹を避ける
空腹でワインを飲み始めないということも大切です。
たしかに、「空腹で飲む一杯がおいしい」ということはあるでしょう。
しかし、空腹でワインを飲むと、胃と小腸から一気にアルコールを吸収することとなります。
そのため血中のアルコール濃度が急上昇し、肝臓などに大きな負担がかかるだけでなく、自制のリミッターが外れて飲み過ぎる原因にもなります。
ですから、必ず何かを胃に入れてから飲み始めるようにしてください。
おすすめのものとして2つ挙げておきます。
良質な油を使った料理
オリーブオイルを始めとした、良質な植物性の油を使った料理を食べると、もたれることなく胃の粘膜を保護することができます。
魚のカルパッチョやサラダなどを早いタイミングで食べるとよいでしょう。
また、先に料理を食べられそうにないときは、大さじ一杯のオリーブオイルを飲むだけでもいいといわれていますので、試してみてください。
高タンパクな料理
肝臓でアルコールを分解するときに、タンパク質が必要になります。
ですから、高タンパクな食べ物を食べておくと悪酔いしにくくなるでしょう。
チーズやヨーグルトといった乳製品がおすすめです。
白ワインを中心に飲む
先ほど、お伝えしたように、同じワインでは白ワインが最も悪酔いしづらいといえます。
もしワインの種類を選べるのであれば、その際は白ワインを飲みましょう。
酸化防止剤無添加のワインを飲む
ワインに含まれる成分で悪酔いにつながりそうなものの中では、酸化防止剤だけが無添加のものが存在します。
もし、選択することが可能なのであれば、酸化防止剤無添加のワインを選んでください。
「ちゃんぽん」しない
いろいろな種類のお酒を飲むことを「ちゃんぽん」と呼びますが、これも避けるようにしてください。
といっても、複数の種類を飲むこと自体が良くないというよりも、どれくらいのアルコールを摂取しているのかがわかりにくいので、やめたほうがよいということです。
同じお酒を飲んでいれば、1杯当たりの純アルコール量がどのくらいで、何杯なら飲んでも大丈夫というのがわかりやすいのですが、途中で種類が変わると、アルコール度数が違い1杯の量も異なるため、純アルコール量の計算がしにくくなってしまいます。
その結果、どれくらいのアルコールを摂取したかが途中からわからなくなり、飲み過ぎてしまいます。
サプリを飲む
ウコンが配合されたものなど、お酒を飲む前に摂っておくとよいサプリやドリンク剤などがいくつかあります。
そこそこ飲むことになりそうだと思うときは、前もってこれらのサプリを飲んでおくとよいでしょう。
ただし、どのサプリが効くかは個人差がありますので、飲めば必ず効くというわけではないという点には気をつけてください。
カフェインを摂取して飲まない
コーヒーなどに含まれているカフェインには興奮作用があります。
このカフェインを摂取してからお酒を飲み始めると、酔いに対して鈍感になるようです。
その結果、飲み過ぎてしまうことがあります。
また、カフェインは胃への刺激が強いため、吐き気も起きやすくなってしまいます。
ですからお酒を飲むときは、その数時間前からコーヒーやお茶類などのカフェインを含む物は飲まないようにしましょう。
悪酔いしにくいワインの適量とは?
悪酔いしないためのワインの適量は、個人個人で異なります。
すでにお話ししたように、分解酵素をどれだけ持っているかや体格など様々な条件でお酒の強さが変わってくるからです。
もちろん、悪酔いしにくい飲み方をすれば、それだけ飲める量も増えるでしょう。
ですから、経験の中で掴んでいくしかないというのが結論になるかと思います。
ただし現在では、遺伝子を検査することで、先ほど紹介した分解酵素をどれだけ持っているかがわかるようになっています。
検査キットも市販されているので、誰でも手に入れることが可能です。
前もって自分の体質を知っておきたいなら、この検査をしてみるのもよいでしょう。
それで、体質に合わせて飲む量をコントロールすれば、悪酔いが少なくなるはずです。
ちなみに、悪酔いするかどうかとは関係なく、アルコールを摂取する際の1日あたりの適量を厚生労働省が定めています。
それによると、日本人の成人男性の適量は純アルコール量で20g以下となっています。
これは、ワインであればグラス2杯に満たない量です。
悪酔いしなければよい、ということだけでなく、この適量も考えながらワインを飲むとよいでしょう。
まとめ
今回は「ワインは悪酔いしやすいのか?」というテーマで、様々な角度からお話を進めてまいりました。
まず大事なことは、ワインだからというのではなく、アルコール自体が悪酔いの原因となっているということでした。
飲み過ぎたり、飲み方がよくなかったりすることで、アルコールの分解がスムーズにいかず、アセトアルデヒドなどの毒性のある物質が体内に増え、つらくさせているということです。
ただし、皆に影響するものではないのですが、酸化防止剤やチラミン、ヒスタミンといったワインに含まれる成分が原因となることもまれにあることは注意が必要です。
もし、悪酔いしてしまったら、水を飲むなどをして、できるだけ速やかにアルコールなどの分解を促しつつ、体外へ出すことで症状を軽くするのがよいでしょう。
また、悪酔いのしやすさには、体質も影響していることを覚えているでしょうか。
日本人には、お酒が弱い人が多いというのが驚きでしたね。
あとは、ワインの種類によって、悪酔いのしやすさが異なることも意外だったのではないでしょうか。
ただし、世間でよく言われる「安いワインは悪酔いしやすい」というのが、必ずしも当てはまらないこともご理解いただけたかと思います。
最後には、ワインで悪酔いしない飲み方と適量についてお話ししましたが、これはとても大切なことなので、ぜひ忘れないようにしてください。
ワインは飲んでおいしく、かつ楽しくなれるお酒です。
しかし、そんなおいしさや楽しさも、悪酔いしてしまっては台無しになります。 ワインのすばらしさを最大限に享受するためにも、悪酔いしないで飲み続けてまいりましょう。