ワインを飲んでいてふと疑問に思うことがあります。それはワインの「賞味期限」。
プレゼントでもらったあの高級ワインはいつまで置いておけるのだろうかと、気になったことはありませんか?
ワインは色々な国や生産地で造られて味わいや風味がそれぞれ違うものです。もちろん保存期間も様々。 今回は特に熟成イメージのある「赤ワイン」。賞味期限や保存期間について詳しく解説していきたいと思います。

ワインには賞味期限が記載されていない⁉

通常食品を購入するとラベルに「賞味期限」「消費期限」が記載されています。
実はワインには「賞味期限」や「消費期限」が表示されていません。
ではどうして期限の記載の記載がないのか詳しく解説します。
ワインは熟成の飲み物
ワインには「腐る」という概念がありません。時間とともに「熟成」を重ね価値のあがるものもあります。又、アルコール度数が高いので腐敗の心配がないので期限の表示がありません。
しかしワインのタイプによっては熟成ができなかったり、保存状態によって劣化したりします。扱い方やタイプをある程度知っておくことは重要ですね。
未開封の赤ワインの飲み頃はいつなの?

未開封の赤ワインについて飲み頃は様々。基本的には飲み頃を迎えているから売り出されています。熟成が必要なものはメーカー側で熟成させてから世の中に出回っています。
販売されている=飲み頃と思っても大丈夫です。
又、専門店などではお店独自で寝かしてから販売しているところもあるようです。
とは言えやはり気になる赤ワインの飲み頃を簡単にまとめてみました。
手頃な赤ワインは「早飲みタイプ」
2000円までの手ごろなワインであればすぐ飲んでも大丈夫です。この価格は「早飲みタイプ」といわれフレッシュさが決め手。味わいも軽やかなものが多く、すぐ飲むのがいいでしょう。
渋味が少なく酸味や果実味がイキイキとしていて、さわやかな印象のワインが多くあります。
ちょっといい赤ワインは「熟成タイプ」
2000円を越えてくると熟成を考えてみると、ワインの幅がぐっと広がります。
量販店などで買うものはすぐに飲んでOKですが、専門店などは熟成タイプもでてきます。
おすすめの方法は2本買うことです。1本はすぐ飲んでもう1本は熟成させる。
半年以上寝かせておくと味わいの変化が感じられます。
熟成の適正期間はワインによって様々なのでショップのスタッフに聞いて、長期間置いておくのも楽しみかたのひとつですね。
又、自宅で熟成させる場合は保管方法が大切。ワインセラーを持っていれば問題はありません。そうでない場合はなるべく涼しい場所で保管をしておくのがベストです。
熟成でどう変わる?赤ワインの変化とは
ここで「熟成」について考えてみましょう。簡単にいうと酸化をして様々な反応が生まれ味わいや風味が良くなることです。
赤ワインを長期間、良い保存状態で置いておくと新しい香り成分が生まれます。なんともいえない鼻の奥で広がるような華やかな香りがでてきます。
そして味わいの変化。タンニンといわれる渋み成分が落ち着いて丸みをおびます。他の味わいもひとつにまとまっていきます。酸味や果実味、うま味がどれも邪魔をしないとてもバランスの良い状態に近づいていきます。こういった味わいを「エレガント」と言います。みなさんにも一度味わってほしい感覚です。
赤ワインを楽しむための正しい保管方法

赤ワインは正しく保管すれば「熟成」というすばらしい変化がうまれます。正しく保管とは
「光、温度、湿度、振動」に気をつけることです。やはり専用のワインセラーがおすすめですがそれ以外の方法もあります。
セラーがない場合のワイン保管方法
1.なるべく日の当たらない場所
床下収納や北側の日の当たらないクローゼットなどがおすすめ。とにかく日が当たらず少しでも涼しい場所がいいですね。でも、夏場はそれでもおすすめしません。
2.冷蔵庫の野菜室
冷蔵庫の野菜室は3℃〜8℃くらいです。又日も当たらないので夏場などはこちらがベター。ただし開け閉めがあり振動も多いですね。長期はお勧めしません。
又、「熟成」させたい場合は冷えすぎていても進まないので一旦保存と考えると良いでしょう。
3.レンタルセラー
専用業者に依頼して預ける方法です。ワインにとって最高の条件で保管をしてくれます。生まれ年ワインや超高級ワインをお持ちであれば是非おすすめしたい方法です。費用もそれほど高くなく月額1本約100や6本で約300円など。高額なセラーを購入するよりいい方法かもしれませんね。
4.セラーを持っている知人に預ける
これが一番リーズナブルな方法ですね。ワイン好きなご友人がいれば預かってもらうのもいい方法です。セラーを持っている友達ならばワインの保管について理解をしてくれるはずです。思い切って頼んでみるのもいいですね。もちろん開封するときは一緒に飲みましょう!
赤ワインの飲み頃を見極める

自分で買っていないプレゼントでもらったワインなどは飲み頃が判断しにくいですね。
そういった場合に飲み頃を見極めるには、ワインをリサーチしてみるのもいいでしょう。
ネットで検索をすればワインの飲み頃がわかる事もあります。
産地や品種で変わるのですが種類がおおすぎるので、わかりやすくするために参考までに販売価格でわけてみました。
2000円までの赤ワインであればすぐ飲める「早飲みタイプ」。
2000円から5000円までの赤ワインであれば1、2年は熟成させても大丈夫です。
5000円を越えてくるとしっかり熟成できるものが多く販売されています。製造された年が記載されているのでそこから10年たっていてもおいしい赤ワインのままです。
それ以上であれば専門家にきいてみるのをおすすめします。
熟成については造り手や産地、品種などで違いがあるので一概に断言はできません。
あくまでも参考としてとらえて下さいね。
開封しないで飲む方法がある⁉
開封して飲み頃でなかったら残念ですね。実は開封しないでワインを味見できる方法があります。それは特殊な機械を使いワインを抜き取る方法です。
細い針のような管をコルクに差し込んでワインを抜き取り、代わりにアルゴンガスという無色無臭のガスを空いた空間に注入。残りのワインは空気に触れることがないので劣化しません。
業務用もありますが数百万円。家庭用の小さなものであれば2万円ほどから販売しています。高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれです。
開封後の赤ワインの賞味期限は?

開封してしまった赤ワイン。その日のうちに飲み切れるといいですが、残る事もあるでしょう。開封後のワインはどれくらい持つのでしょうか?
手頃な赤ワインの開封後の賞味期限
2000円までの手ごろなタイプの赤ワインであれば2、3日でしょう。白ワインよりは長持ちする赤ワイン。それでも3日ほど涼しい場所で保管するのがおすすめです。「早飲みタイプ」は赤ワインでも冷やしてのんでもおいしいワインがあります。そのタイプなら冷蔵庫でも大丈夫です。
ちょっといいワインの賞味期限
2000円を超えるちょっといい赤ワインは、開封から1週間ほどで大丈夫です。
実は開けたてより香りが広がり味わいが落ち着くワインもあります。良いワインは時間と共に変化を楽しむのもおすすめです!
開封後のワインを長持ちさせる方法
開封後にスクリューキャップやコルクで栓をするのもいいですが、より良い保存状態にするための方法があります。
真空ポンプ・ワインストッパーを利用する
市販の真空ポンプやワインストッパーの使用をおすすめします。空気に触れることで状態が変化していきので空気量を減らせば、ゆっくりとした変化に代わります。
真空ポンプは空気を抜く役目があります。ワインストッパーはある程度の機能性があれば空気を遮断するので酸化が遅くなります。
小さなボトルに移す
意外としられていないのがこの方法です。なるべく空気に触れさせない為にすりきりいっぱいまで入れられる小さなボトルに移すのがおすすめです。実は100円ショップなどで色々なサイズのボトルが販売しています。目一杯いれてしっかりと蓋をしておけば空気に触れずに保管ができます。ワインラバーの裏技です。
開封後のワインを飲みきるための工夫
開封後はなるべく早く飲み切るのがベターです。
例えば少し良いワインがあれば親しいお友達などと飲むと飲み切りやすいですね。
又、同じワインを囲んでワインについてあれこれ語るのはワイン好きには最高の時間。
ぜひおすすめします。
ちょっと贅沢!料理に利用する
少し贅沢な使い方ですが、一部をお料理に使用して残りを飲むのもおすすめ。同じワインが使われた料理はペアリングとしては最高の組み合わせです。赤ワインであれば煮込み料理などに使えば沢山使用できます。ワインをお料理に使うと普段の食卓がぐっとレベルアップしますね。
それでも残ってしまったワインの使い方
サングリアやホットワインにする
色々やってみたものの残ってしまった赤ワイン。数日かけて飲んでしまうのもいいのですが、サングリアにするとよりおいしく長持ちします。お砂糖やフルーツをいれて冷蔵庫で保管。糖分が入ることで保存も効きます。又、フルーツの香りや味わいが足されて又違ったワインの楽しみが増えるでしょう。
又、シナモンやレモンはちみつをいれて火にかけるホットワインもおすすめ。
寒い真冬や冬キャンプなどのアウトドアには特におすすめします。体も心も温まります。
料理に使うならどれくらいまで大丈夫?
基本的には腐ることはないので1ヵ月でも大丈夫です。しかし開封後の風味は各段に落ちていきます。料理に使う場合でも開封後は1週間くらいを目安にするといいでしょう。もし難しそうであれば冷凍しておくのも一つの手段です。
まとめ
ありそうでなかった赤ワインの「賞味期限」。やはり開封後は早く飲んだ方がよさそうですね。いいワインが手に入ればレンタルセラーや友人に預けるのもアリですね。 世の中には沢山のワインがあります。自分の好みなどを知っておくのも飲み切る工夫かもしれません。残ってもサングリアや料理などにも使えます。ワインの楽しみ方が色々と広がりそうですね。