ブッラータとはどんなチーズ?歴史や食べ方もご紹介

ブッラータとは

みなさんは「ブッラータ」という名前のチーズをご存知でしょうか。

イタリア原産のチーズですが、国産のものも増えており、日本の食卓やレストランにも普及し始めています。

今回は、ブッラータというチーズの特徴、おすすめの食べ方や合うワインなどについてご紹介します。

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目次

ブッラータの特徴

ブッラータとトマト

ブッラータとは、イタリア南部のプーリア州発祥のフレッシュタイプのチーズです。

主に牛乳から作られますが、水牛乳を使ったものもあります。

「パスタフィラータ」と呼ばれるモッツァレラと同じ製法で生地を作ります。モッツァレラを薄くのばして袋状にし、その中に「ストラッチャテッラ」と呼ばれる、細かく刻んだモッツァレラと生クリームを混ぜたものをたっぷりと詰めて、巾着のように閉じた形状をしています。

「ブラータ」と呼ばれることもあり、イタリア語で「バターのような」という意味があります。この名前のとおり、ブッラータはバターのように濃厚でクリーミーな味わいなのが特徴です。

白くて丸いブッラータにナイフを入れると、その切れ目からモッツァレラと生クリームが溢れ出します。

口に入れるとクリーミーでリッチなコクの中に、モッツァレラの独特の食感があり、一度食べるとやみつきになってしまいます。

強いクセなどもないので、チーズが苦手という方でも比較的食べやすいものであると言えます。

また、その賞味期限はとても短く、完成から48時間と言われています。

イタリアから輸入して店頭に並ぶまでに賞味期限が切れてしまうため、国内で入手するのは難しいチーズでした。最近は技術が進んできたため、国内でも入手できるようになってきましたが、その流通量は多くありません。

しかし、最近では国産のブッラータも製造されるようになってきたので、以前より目にすることが多くなってきました。

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ブッラータの歴史

ブッラータの歴史は他のチーズに比べると浅い方で、1920年頃にプーリア州のアンドレアという町で誕生しました。

モッツァレラの製造が盛んな地域で、ある時、製造時に余ったモッツァレラの生地を捨てるのがもったいないので、それを細かく裂いて生クリームと合わせて、袋状にしたモッツァレラに詰めたのが始まりです。

当時は冷蔵技術がそれほど進んでおらず、賞味期限も製造後48時間以内という短さであるため、その後30年ほどは現地でしか食べることができないローカルフードでした。

しかし、その美味しさと、余ったモッツァレラを有効活用できるというメリットから、徐々に生産地域が広がり、現在ではイタリア以外の国でも作られるようになりました。

また、冷蔵技術が進んだことにより、イタリアから他の国へ輸出される量もどんどん増えています。

原産地である南イタリアでは、水牛乳からモッツァレラを作るのが当たり前のところでは、そのモッツァレラをベースにした水牛乳製のブッラータが作られています。

水牛乳製のブッラータは脂肪分が多く、冷やすと乳脂が固まり、硬くなってしまうので、産地では一度も冷蔵保存せず、出来立てのブッラータを買ってそのまま食べるという、地元ならではの贅沢な食べ方ができます。

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ブッラータとモッツァレラの違い

ブッラータとモッツァレラ、水牛乳製と牛乳製、混同している方も多いのではないでしょうか。

モッツァレラはブッラータと比べて日本でも馴染みがあり、ブッラータは食べたことがないけど、モッツァレラなら食べたことがあるという方も多いと思います。

しかし、その製法や乳種については、意外と知られていないのではないでしょうか。

ブッラータの始まりであるモッツァレラについて少しおさらいし、ブッラータとの違いを見比べていきたいと思います。まず、モッツァレラの本家本元は、水牛のミルクで作られる、「モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ」という名前のイタリア南西部のカンパニーア州で作られるものです。

このチーズは原産地名称保護(D.O.P.)で認定されています。

つまり、水牛のミルクから作られているものが本来のモッツァレラなのです。D.O.P.のものは水牛乳から作られていることが必須条件となります。

しかし、水牛は搾乳量が少なく、大規模で飼育するのが難しいということもあり、イタリアでも牛乳から作られるモッツァレラはたくさんあります。

水牛のミルクから作られるモッツァレラは、牛のミルクで作られたものと比べると脂肪分が多くて濃厚な味わいとなり、色が真っ白であることが特徴です。牛乳製のものと比べると水牛乳製のモッツァレラは貴重であり、その分値段も高くなります。ブッラータは先ほども述べたように、もともとモッツァレラの生地の余りから作られたのが始まりであり、牛乳製のものも水牛乳製のものもありますが、ここに生クリームを加えるという点がモッツァレラと違うところです。

またブッラータもモッツァレラも、チーズの生地(カード)を作った後、お湯で溶かし、お餅のように生地を練って伸ばす「パスタフィラータ」という同じ製法で作られます。

違いとしては、モッツァレラはお餅のようなかたまりの生地から1玉分の量をちぎって丸く形を整えれば完成なのに対し、ブッラータは1玉分の量をちぎって団子状に丸めたのち、その生地を袋状にします。

そしてその中に、先ほど述べたストラッチャテッラを詰めて、袋の口を紐で縛るなどして、中身を閉じ込めて完成になります。混同しがちですが、モッツァレラについて知ることで、水牛乳製と牛乳製の違いや、ブッラータとの作り方の違いについて整理することができ、ブッラータについて理解を深めることができたのではないでしょうか。

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ブッラータの食べ方

ブッラータはさまざまな食べ方がありますが、まずはシンプルに、そのまま何も味付けせずに食べてみることをおすすめします。

この時に気をつけていただきたいのが、常温に戻してから食べるということです。

なぜなら、冷蔵庫から出したての冷たい状態のものよりも、常温のほうがよりミルクの濃厚さや風味を感じることができるからです。

味の変化を楽しみたいなら、オリーブオイルをかけたり、塩やブラックペッパーをかけたりするのも良いでしょう。

次におすすめなのが、サラダに添える食べ方です。トマトやアボカド、ルッコラ、生ハムなどと相性が良いので、これらを使ったサラダにブッラータを添えて、オリーブオイル、塩、ブラックペッパー、バルサミコ酢などで味付けすれば、贅沢なサラダの完成です。

また、トマトとバジルとブッラータで、カプレーゼにするのもおすすめです。さらに、パスタやピザに乗せる食べ方もおすすめです。ブッラータのバターのような濃厚なクリームが、パスタのソースやピザと絡まり合い、より美味しくなります。

このようにサラダや主食に加えるだけでなく、デザートとして楽しむ方法もあります。

ブッラータはいちごやもも、オレンジ、いちじくなどのフルーツと相性が良いので、これらをトッピングするだけで華やかなデザートになります。

また、ブッラータにはちみつをかけて食べるのもおすすめです。まろやかな甘みが加わり、こちらもデザート感覚で楽しむことができます。このように、ブッラータは前菜からメイン、デザートまで幅広くアレンジすることができます。

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ブッラータに合うワイン

チーズにしてはクセが強くなく、濃厚でクリーミーなブッラータにはどんなワインが合うのでしょうか。

まず、ブッラータをそのまま食べるのであれば、キリッと辛口のシャンパンやスパークリングワインがおすすめです。

イタリアのプロセッコやフランチャコルタなどを合わせるのも良いでしょう。

まろやかなチーズの味わいを、辛口のスパークリングワインが爽やかな後味にしてくれるでしょう。

また、カプレーゼやサラダに添えて食べるのであれば、辛口の白ワインがおすすめです。

カプレーゼなら、トマトの赤に合わせて、辛口のロゼワインを選ぶと、見た目にも華やかでおしゃれでしょう。

そして、パスタやピザに乗せて食べる場合は、ブッラータの原産地であるプーリア州のプリミティーヴォという品種から造られる赤ワインを合わせるのがおすすめです。

豊かな果実味と甘み、濃厚かつフルーティーで酸がしっかり感じられるプリミティーヴォはとても飲みやすく、ブッラータが乗ったパスタやピザとも相性抜群でしょう。

また、甘口のプリミティーヴォなら、デザートワインとしても楽しめるので、いちごなどのフルーツを合わせたブッラータとも相性が良いでしょう。

はちみつをかけたブッラータなら、フランスのジュランソンの甘口の白ワインなどがおすすめです。

いかがでしたか。ブッラータが食卓にあるだけで、とても華やかになりますし、ホームパーティなどにもぴったりなチーズだと言えます。

もともとは南イタリアのローカルフードで、現地でしか味わえないものでしたが、今では日本でも製造されていて、どこにいてもネットで取り寄せることができます。

一度、レストランや自宅でブッラータを味わってみてはいかがでしょうか。

また、さまざまな食べ方に挑戦したり、いろんなワインと組み合わせてみたりしても良いでしょう。ぜひ、自分だけのオリジナルの食べ方や、合うワインを見つけてみてください。

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